安倍政権の主導のもとで「女性の職業生活における活躍の推進に関する法案(仮称)」が国会に提出される運びとなった。実効性は不確定だが趣旨は良く、また数値目標についても経団連の反対を押し切って定めることとしたのは評価できる。数値は実情に応じて企業が定めるというのも、これまでの日本企業の女性人材の育成不足もあり、無理やり員数合わせをするのは経済的に不合理なため、やむをえない措置である。むしろ数値目標と実現値を「見える化」し、各企業がどの程度の目標を定め、かつ実現できたのかを透明化することか必要である。 しかし問題は、わが国で経済活動における女性の活躍が進まない主な理由が日本的雇用システムにあることだ。従来の雇用慣行や制度の大規模な改革なしには、女性活躍の推進も、時代に見合った有効な人材活用もできないと筆者は考えている。その理由を述べたい。 日本的雇用システムは高度成長期には合理的な制度であったが現