最終回は日本と台湾の労働環境について取り上げる。転職が当たり前で労働者の流動性が高い台湾。その一方、日本は長年、終身雇用制度に支えられ、転職の普及が進まなかったため労働者市場の流動性が低く、一度、職を失うと再就職のハードルが高く転職が容易ではない。子供への教育投資のあり方や、雇用に関する価値観を比較することで、日台の労働環境の違いが浮き彫りになった。 山田 昌弘 YAMADA Masahiro 1957年東京生まれ。86年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。2008年4月から中央大学文学部教授。専門は家族社会学、感情社会学、ジェンダー論。著書に『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書、1999)、『少子社会日本 もうひとつの格差のゆくえ』(岩波書店、2007年)、『家族難民』(朝日新聞出版、16年)、『底辺への競争』(朝日新書、17年)、『日本で少子化対策はなぜ失敗したのか』