オリックスの秋季キャンプに臨時コーチとして特別参加した元大リーグ・ロイヤルズ、野茂英雄氏(40)の指導は、チームに大きな感銘を与えた。 かつて近鉄で同僚だった佐々木投手チーフコーチは語る。「野茂の引き出しは我々の想像を超えていた。彼の投球は感性だと思っていたが、理論的裏づけがしっかりされていたことを知った」。 野茂氏はブルペンで、投手陣に付きっきりで指導。フォークの握りを示しながら、「『あの辺』でなく『あそこ』に狙って落とせ」「(打者の)空振りを想像して投げろ」と詳しく説明した。的確で即効性の高いアドバイスに「自分が持っていたイメージとまったく違っていた」(菊地原)、「自分にない発想。新たな発見に目からうろこだった」(山本)と投手陣。14日には往年のトルネード投法も実演した。 指導のポイントの一つがフォークの握り方。清川投手コーチは「野茂のフォークは指で挟んで落とすのではなく、リストを固定