故・人気司会者ジミー・サビルの制犯罪疑惑に端を発し、BBCが揺らいだ。疑惑に関連した調査報道番組での誤報をきっかけに、経営陣トップが辞任。誤報以前には、疑惑を調査していた番組が放送中止となった一件があった。後者の件について、調査報告書が今週、発表される予定だ。 疑惑報道の発端からこれまでについて、週刊「新聞協会報」12月4日発行号に寄稿した。その後の新情報も含めて、以下に掲載したい。(記事中では敬称略。) *** 英BBC危機の実態と教訓 ―疑惑と誤報で崩れる名声 取材の初歩、おろそかに 英国放送協会(BBC)が、批判の矢面に立つ日々が続いている。きっかけは10月上旬に広く知られるところになった、BBCの元人気司会者ジミー・サビル(故人)による、未成年者に対する性的暴行疑惑だ。 昨年末、この疑惑について調査を行っていたBBCのテレビ番組「ニューズナイト」が、急きょ、予定番組の放映を中止し