三島由紀夫にまつわる映画について何度か語ってきました。 「いわゆる三島由紀夫的なもの」のヴェールを剥いでいくような書きぶりだったので、 もしかしたらお読みになった方は、わたしが太宰治に対して持っているような否定的な見方を、 三島に対しても持っていると思われたかもしれません。 しかし、三島の本質を知ろうとすることと嫌悪を感じることは決してイコールではありませんでした。 むしろ、世間一般の三島に対するイメージだけでは語れない部分が、磁石のように意識を吸い寄せ、 かれに関する映像を探し出して食い入るように眺める日々が一時続きました。 愛憎といっては大仰すぎますが、決して敬愛したり心酔したくなるような高潔な人物ではなく、 むしろ「悪趣味」と言っていいほどの臭みが漂うその存在に、 注目せずにはいられない「何か」を感じてしまったのです。 同じ理由で太宰は否定するのに、何故三島には魅かれるのか。 太宰の
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