「子どもを持つなということか」。東京都杉並区役所前で十八日、赤ちゃんを連れた母親らが、我慢してきたつらい気持ちを涙ながらに吐き出した。妊娠中から保育所探しに歩き回り、育児休暇中も不安にさいなまれた揚げ句、預け先が見つからない。「認可保育所を増やしてほしい。現状のおかしさに気付いて」と訴えた。待機児童の多い都市部共通の、母の願いだ。 (柏崎智子、小形佳奈) 「大きなおなかを抱えた臨月から、保育園を回らなければならなかった。インターネットで区の保育事情を検索し、何日も不安で眠れなかった。貴重な育児休業中、何をしていても保育園の心配がついてまわり、本当に苦しかった。こんな目に遭うなんて知らない妊婦さんは、今も大勢いるんじゃないか」 十カ月の子どもの母親はマイクを握り、「保活」とも呼ばれる保育所探しのつらい経験を振り返った。認可保育所の入所の競争率が異常に高いため、母親らは子どもが産まれる前から認