【パリ=小嶋麻友美】フランスの連続銃撃テロ事件で、九日に起きたパリ東部のユダヤ系食品スーパーでの立てこもりの状況が、助かった人質らの証言で詳細に明らかになった。客を安全な場所にかくまい、命を救った従業員がいた一方で、容疑者に立ち向かおうとして殺害された人もいた。 アメディ・クリバリ容疑者(32)がスーパーに侵入した九日午後一時すぎ、店内には従業員と客ら約二十人がいた。従業員のラサナ・バティリーさん(24)は、とっさに数人を地下の大型冷蔵室へ誘導。照明を消し、冷気もオフにしてドアを閉め、声をひそめて隠れているように指示した。 バティリーさんは業務用エレベーターを使って外に脱出。警察に立てこもりの様子や人質が隠れている場所を伝えた。解放後「客たちから感謝された」と地元テレビに語っている。バティリーさんは西アフリカ・マリ出身のイスラム教徒だという。