2013年の年間映画興行ランキングTOP10とともに、この一年の映画シーンを映画ジャーナリストの大高宏雄氏が総括する。今年のTOP5は、『風立ちぬ』(120億円)『モンスターズ・ユニバーシティ』(89億6000万円)『ONE PIECE FILM Z』(68億5000万円)『レ・ミゼラブル』(59億3000万円)『テッド』(42億円)とアニメと洋画が占めた。アニメの隆盛、それと逆行する邦画実写の興行結果、メガヒットの時代の終焉を指し示す邦画シーンの動向、重要な意味をもつダイナミックな“観客動向”の変化とは。 ◆多岐にわたるヒット傾向を見せたアニメ作品 映画興行は一筋縄ではいかない様相を呈してきた。これまで毎年、映画“興行”総括を行う過程で、私はこうした言い回しを使うことはなかった。一筋縄ではいかない。その及ぼす範囲は、邦画、洋画含めた映画のありよう、宣伝など情報装置の変化、シネコンなど映画