河井夫妻の事件について、私は法務大臣まで経験した政治家を、「従来の公選法の罰則適用の常識からすると異例と言える」(郷原 信郎)罪状で逮捕するのは、感心しない。黒川検事長の賭け麻雀でなくとも世の中には、法文上は罪に問えるかもしれないが、警察も検察もそれをしてこなかった事案は多い。それを、政治的な色彩が強い人物や事案において立件するのは司法の政治介入になりかねず、しっぺ返しにもつながりかねないと思うからだ。 しかし、なぜこういう極端な形で資金が撒かれることが起きたかだが、広島の地方政治を知らないひとにとっては、不可思議だろう。そこで、二年前に出版した「47都道府県政治地図 」(啓文社書房)の広島県の項の一部を紹介するとともに、解説をしたい。 戦後広島県の政治 全国の県議会議長で実力者といわれる政治家がいるが、広島県議会にも檜山俊宏議長という大実力者がいた。1991年から2003年まで議長をつと