ブックマーク / www.tokyoartbeat.com (4)

  • 『虎に翼』の家族とジェンダーから見えるもの。家制度の亡霊と、「いま」を描く物語(評:竹田恵子)

    「家族」を描くドラマとしてまさか、自分が朝ドラを毎日観見るようになるとは思わなかった。でも面白いから見てしまう、NHKプラスで。みなさんも、ですよね。 みなさんもご存じのとおり、2024年4月から朝の連続テレビ小説として放映されている『虎に翼』は、日では最初の女性弁護士のひとりをモデルにした猪爪(佐田)寅子(ともこ)の物語である。 このドラマをフェミニズムに関係ない、という人はいないと思う。法律、憲法、人権といった多様な視点から語ることができるから、私よりよほどうまく語れる人はいくらでもいると思う。ただ、私はこの物語がもっとも中心的に描こうとしているものとして「法」のほかに「家族」があるのではないかと思う。だがその前に、少しドラマの根底にある姿勢のようなものについて書いてみたい。

    『虎に翼』の家族とジェンダーから見えるもの。家制度の亡霊と、「いま」を描く物語(評:竹田恵子)
  • 『マッドマックス:フュリオサ』に登場する「ある絵画」は何を意味しているのか? ギリシア神話と「ファム・ファタル」から考察する

    アニャ・テイラー=ジョイ演じる若き日のフュリオサや、クリス・ヘムズワースによる敵役のディメンタスなど俳優陣の熱演、前作からさらにパワーアップした強烈かつアイデア満載のアクションシーン、そして崩壊した後の過酷な世界の描写など、作の見どころは枚挙にいとまがない。そして何より、あのフュリオサが主人公として戻ってくるということで、前作で叩きつけられた新しい女性表象やそこに見られたフェミニズム的メッセージが、作でどうアップデートされるのか、期待する人も多いのではないだろうか。私はまさにそのひとりだ。 ひと足早く試写で見る機会を得、手に汗握りながら見ていたところ、なんと見覚えのある絵画が登場して意表をつかれた。その絵は、19世紀後半から20世紀初頭に活躍したイギリスの画家、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(1849〜1917)の《ヒュラスとニンフたち》(1896)だ。

    『マッドマックス:フュリオサ』に登場する「ある絵画」は何を意味しているのか? ギリシア神話と「ファム・ファタル」から考察する
    altid
    altid 2024/06/02
    適切な解説と思われる。SNSではろくに言及されていない。
  • 新海誠監督『すずめの戸締まり』レビュー:「平成流」を戯画化する、あるいは〈怪異〉と犠牲のナショナリズム(評:茂木謙之介)

    新海誠監督の最新作『君の名は。』(2016)、『天気の子』(2019)に続く、新海誠の監督映画すずめの戸締まり』(以下映画『すずめ』)は、前2作に続き、災害によって切断された日常を補綴する若年の男女の物語を描いた、観客の期待の地平をいっさい裏切らないエンタメ大作である。 九州・宮崎在住の高校生・岩戸鈴芽が登校中に出会った東京の大学生・宗像草太は、代々「閉じ師」と呼ばれる職能を司る家の末裔であった。閉じ師は、全国の廃墟に存する「後ろ戸」と呼ばれる扉を、儀礼を用いて閉じるという「家業」を受け継ぐ。後ろ戸は「すべての時間が同時にある場所」にして「死者の赴く場所」である「常世」と繋がっており、開くと中から「善くないもの」が出てきてしまうという。その後ろ戸を偶然開いてしまった鈴芽は、そこに配置されていた「要石」を引き抜いてしまい、大地震を引き起こす「みみず」と呼ばれる存在をこの世に出してしまう。草

    新海誠監督『すずめの戸締まり』レビュー:「平成流」を戯画化する、あるいは〈怪異〉と犠牲のナショナリズム(評:茂木謙之介)
  • 「おかんアート」が不可視化しているものとは何か。「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」レビュー(評:山崎明子)

    ▶︎ 都築響一+「下町レトロに首っ丈の会」キュレーションによる「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」が、東京都渋谷公園通りギャラリーにて1月22日~4月10日に開催されている。「おかんがつくるアート」のことと展が定義する「おかんアート」とはなんなのか、その歴史的文脈をふまえて解説。視覚文化論、美術制度史、ジェンダー論を専門とし、手芸とアートの関係をジェンダーの視点から研究してきた山崎明子(奈良女子大学教授)が論じる。【Tokyo Art Beat】 「おかんアート」の前で思考する「おかんアート」というものが以前から気になっていた。一目見て自分の身近にあったもので、懐かしいと感じる作品が多い。私自身、子供時代にこれらを母と作った記憶がある。小学生でも作れるもので、こうしたモノを作りながら縫う・編む・結ぶなど手芸の基技術を知らずに学んだのだと思う。東京都渋谷

    「おかんアート」が不可視化しているものとは何か。「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」レビュー(評:山崎明子)
    altid
    altid 2022/03/08
    小気味良い指摘。後半の記述からミソジニーを抱える女性の存在にも目配せをしている印象を受けた。
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