文部科学省所管の社団法人「日本図書館協会」(東京)が全国の図書館に推奨する子供向けの絵本「国旗の絵本」(戸田デザイン研究室発行)に、北方領土を「ロシア領」と色分けした地図が掲載されていることが5日、分かった。指摘を受け、発行社側は訂正したが、「問題提起するため、あえてやった」と説明した。先月には文科省が後援する「国際地理オリンピック」の募集ポスターで同様の事例が発覚したばかり。領土問題への認識の薄さがまた明らかになった。 「国旗の絵本」は、世界193カ国の国旗を首都名とともにカラーで掲載したもの。巻頭と巻末の世界地図で、日本固有の領土である北方領土がロシア領に色分けされていた。 この絵本は昭和62年に初版を発行。同年、図書館の振興を活動目的とする日本図書館協会が「選定図書」に指定した。選定図書は、学識者や教員ら約50人で構成する選定委員会が決定し、全国の図書館が本を購入する際の指標になる。