俺の親父は中国地方某県の山奥出身なんだが、そこには恐ろしい風習があったそうだ。 と言っても、当時の俺はその内容を知らなかった。 親父曰く、口にするのもおぞましい行為が繰り広げられるもので、まだ子供の俺に全容を話そうとしなかったからだ。 そんな俺も高校生になって、親父の故郷の話なんてすっかり忘れていた。 学校が夏休みに入って少しした時、食事中に親父が張り詰めた面持ちで「…お盆は実家に戻らないといけない」とこぼす。 親父の実家には年に一度行く事があるかないかの頻度だが、この日ほど親父が憔悴した様に切り出した事はない。 「あら、そう」 親父と打って変わっておふくろは淡々と冷め切っていたが、俺はどことなく不安を抱いていた。 お盆当日、俺達家族は身支度を整えて車に乗り込む。 これから片道2時間弱かけて祖父の家に行くのかと思えば、めんどくさいを通り越して仮眠できると割り切っていたが、親父は何やらソワソ
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