京都大学などの共同研究チームは、生物の脳のように「揺らぐ」ニューロンとシナプスで学習を実現する新たなニューラル・ネットワークを構築した。この新しいニューラルネットワークが脳のいくつもの実験結果を再現することも発見した。 現在のニューラル・ネットワークは「最適化」という緻密な計算によって望ましい機能を実現するが、脳のニューロンやシナプスは強い「揺らぎ」を持ち、確率的に動作するため、最適化のような緻密な計算をしているようには見えない。さらに、最適化の計算には、脳とは比較にならないほど膨大なエネルギーを消費するという問題がある。 そこで研究チームは、「脳の学習は最適化ではなく、適切な具体例を生成するサンプリングではないか」と発想。確率的推定手法であるベイズ推定の理論の1つ、「ギブス・サンプリング」の理論を利用することで、脳のようにランダムなニューロンとシナプスだけで動作するニューラル・ネットワー