5年ほど前、ベルギーの独立系半導体・デジタル技術研究機関であるimecの研究者たちは、将来の相互配線(インターコネクト)材料として、微細化の限界が見え始めたCuを置き換えることを目的として、二元および三元化合物の探索を開始した。これは、新しい世界的な次世代配線材料研究の先駆けとなった。 実現に向けて、まず多数の候補をランク付けするためのガイダンスを提供する独自の方法論を設定した。本稿では、imecにおいて次世代半導体ロジックデバイスのBEOL(多層配線)研究の第一線で活躍する研究者自身が、提案した方法論を説明し、初期的に得られた結果を紹介し、将来の研究について展望する。 なぜCuが使えなくなるのか? 銅(Cu)は、1990年代半ばにロジックデバイスのBEOL(Back End of Line)アプリケーションに導入されて以来、相互接続する配線とビアを形成するための主流の導体金属となっている