良い予感は当たらないのに悪い予感は当たる。 医師との面談で、退院を勧告された。30分以上も立て板に水状態で、なぜ出て行かねばならないかを蕩々と巻くしたてた。無駄な抵抗などしないのに。理解して双方にとって良い接点を探るための討議が出来ればと考えていたのだが、力関係がはっきりしているところに討議は存在しない。 父のような患者が一番迷惑なのは分かる。病室に顔を出すと、今日、退院するぞと父は宣言した。そこに午後のリハビリに連れて行こうと看護婦さんがやってきて、朝のリハビリを拒否したことが判明。一人の看護婦さんで一度に3人の車椅子の患者を1階のリハビリ室に連れていかねばならない。彼女を手伝って父の車椅子をリハビリ室まで押していったのだが、多数の車椅子に座った高齢者が順番を待つ景色に圧倒された。歩けなければ家に帰れないのだから頑張るようにと何度も伝えるのだが、頑固な父からは人の指図は受けないという怒り