ティルトローター機は大きな期待を集めて開発がはじまった。ここに取り上げるV-22オスプレイの開発契約が米政府とメーカーとの間で調印されたのは今からちょうど20年前、1985年のことである。 ところが2000年、いよいよ実用段階に入ろうというとき、訓練飛行中に2度の死亡事故が起きてしまった。そのため、一時は開発打切りかと思われる事態に追いこまれる。ペンタゴンや政治家の間で激しい論議が巻き起こり、もう一度基本に立ち戻って安全性の確認からやり直すことになった。 あれから5年。この間におこなわれた設計の見直しと改修作業で、V-22はどこまで安全になったのか。軍事上のきびしい任務に耐えられるのか。果たして生まれ替わることができるのか。その将来を賭けて、今ふたたび運用評価試験まで漕ぎ着けた。 筆者は去る2月初め、ボーイング社のフィラデルフィア工場でV-22の製造工程を見る機会があったが、そのもよ