学生のころは、よく手紙をかいていた。 そのころは、メールとかなかったしね。 だから今でも、文房具がすごく好き。 ずっと愛用してた万年筆をなくしちゃったから 今はまた、美しい万年筆がほしい。 そのひとに伝えたい、あふれる思いを なんでもない日々のあれこれとともに 便せんに綴っていく時間が わたしはほんとうに好きで。 なんだろう。 豊かさを感じる特別な時間なんだ。 ほんとうはすごく引っ込み思案で 要点をつかんで簡潔に、テンポよく話すのは わたしにはほんとうに難しいことだったから 時間をかけて、しっくりくる言葉を ひとつずつ吟味しては書き上げる手紙のほうが 自分を素直に出せるような気がしてた。 沈黙がまったく怖くないのは、そんな性格だからかもしれない。 手紙をかくときも、手紙を読むときも ちょっと時間差があって。 でも、自分のペースで何度も読み返すことができて 素敵なことばは、何度も何度もかみし