■大学レベル「合衆国ハ帝国主義ヲ…」 明治、大正期に陸軍で教育を受けた、秩父宮雍仁(やすひと)親王はじめ5人の皇族(当時)が10代のころに書いたとみられる西洋史の試験問題の答案が、神奈川県内の民家で見つかった。専門家によると、軍で教育を受けた少年期の皇族の資料はあまり知られておらず貴重という。 ◇ 答案を見つけたのは、神奈川県鎌倉市の団体職員、中沢夏樹さん(64)。陸軍の幼年学校、士官学校で明治29年から歴史教師を務めた祖父、澄男さんの遺品整理中に発見した。中沢さんは「祖父が皇族を教えていたことは知らず、驚いた。当時のエリート教育の高度さを感じた」と話している。 答案は各皇族の名前入りで、赤字で添削された個所もある。調べが足りない部分には「猶(なお)此ノ他ニ御記載アルベキ事項少カラズ」と丁寧に指摘するなど、「気を使っていることが分かる」(中沢さん)資料だ