医師が診断したらからなず報告する「全数報告」と特定の医療機関だけが報告をする「定点報告」にわかれている。
米国でベストセラーとなったThe Culture of Fearは日本語訳があって(『アメリカは恐怖に踊る』)amazonで中古をみつけることができました。著者はもともとジャーナリストであった、南カリフォルニア大学教授→現在はオレゴンの大学の学長をしているBarry Glassner教授。 メディアによって煽られた不安によって、望ましくない行動をとる、という米国社会の問題を扱う本です。 p.231からが 恐怖の予防接種『ワクチンルーレット』 です。 (略) "問題の騒動がはじまったのは、正確に言えば1982年4月19日の夜だった。その夜、ワシントンDCにあるNBC系列のWRCテレビが『DPT-ワクチン・ルーレット』と題する1時間のニュース・マガジンを放映。その瞬間、あらたな医学現象が誕生した。ワクチン後遺症である。 番組では、子どもへの接種が義務づけられているジフテリア、百日咳、破傷風の三
2006年に世界で承認販売が始まってから、ことしで10年目。臨床試験中のデータを含めると10年以上のデータがあります。新しいワクチン、思春期のワクチン、女性に接種するワクチンということで各国で導入初期には副反応に関連する話題も熱かったですが、さすがに9年もたったところで、○○が問題だという「騒動」はごく一部の話になっています。 いっときフィーバーしていた米国でもメディアの扱いが小さくなると有害事象の報告も減っています。 現時点では、このワクチンの接種の安全性は他のワクチンと変わらないレベルと評価されています。 WHO、世界の専門機関も(恵まれた国でのアクセスの話ですが)推奨をしています。 【整理の仕方】 「よくある副反応」 「まれな副反応」 「とてもまれな副反応」 「副反応とは考えにくい紛れ込みの症例」 「有害事象だが副反応とは考えにくいもの」 といったかたちで整理ができます。 刺したとこ
「確証バイアス」は、自分の都合の良い事実しか見ない信じないという認知のゆがみのひとつで、日常生活の中で誰もがもっていることです。 なので、何か決定をしなくてはいけないとか、それが生命や将来に影響を与えることだったり、他人に意見するようなときには、このバイアスの影響を受けた思考プロセスをしてないかなーとふりかえったり、苦言も惜しまずしてくれる友人などに、あえて別の見方を提示してもらって「ふむふむ、そういう見方もたしかにあるよね」的な時間をもったほうがいいわけです。 ある価値観やストーリーにはまったひとたちの言動は、冷静な第三者から見ると、「あら!」「あらー!」「どっひゃあ」的なものになっていることがあります。当の本人はストーリーのまっただ中にあるので、「おかしいよ」「違う情報は無視するの?」という周囲の苦言に耳を貸せません 耳を貸さない、が一般的な表現ではありますが、貸せない、貸すことができ
先日書いた「アナフィラキシーと思ったら○○○」で紹介した事例が報告されていました。 --------------------------- 11月3日 中日メディカル つなごう医療「金沢の保育園で59人が食中毒 顔面紅潮や発疹」 金沢市保健所は2日、金沢市内の私立保育園児と職員ら59人が、マカジキを食べたあと顔面紅潮や口の周りに発疹症状を訴え、ヒスタミンが検出されたと発表した。納入元で、同市西念4の中央卸売市場仲卸棟にある魚介類販売業の温度管理や器具類の洗浄が不十分だった可能性があるとみて、同社に清掃や消毒などを指示し、3日から3日間の営業停止処分とした。 保健所によると、10月31日昼に保育園で出された「魚の野菜蒸し」を食べた園児と職員計110人のうち、園児46人と職員13人が顔面紅潮や発疹、のどの痛みなどを訴えた。うち6人が医療機関で受診し、回復している。 マカジキは、商店から保育園近
コンビニでお寿司やお刺身が買え、安全に食べることができるコールドチェーン(温度を保ったまま輸送できるシステム)が整っている日本。 海外の感染症専門家をコンビニにつれていくとびっくりするのがまずこの生鮮食品含めた選択肢の多さ。 あとはマスクの多様さ(苦笑)。 「日本人は本当にマスクが好きなんですねえ・・・」 ごにょごにょ・・・・この話はまた別の機会に。 「おにぎり と その周辺」 で書きましたが、「安全」も、温度管理を可能にする電気や設備があるから、であります。電気は大切。 なので、「停電」によって適温が保たれなくなると、感染制御ができなくなって食中毒などの事故がおこります。 最近の保護者は、子どものお弁当に、スーパーなどでもらった保冷剤をいれたり、凍らせたペットボトルなどを保冷剤がわりにしたりと、いろいろな工夫をしています(日本の親御さん、すごい)。 温度管理がうまくいかなくてブドウ球菌→
母親からの相談 「助産院での出産を決めていますが、保健所の母親教室で「そこの助産院は新生児の出血予防のビタミンK2シロップを飲ませていないそうだから気をつけて」というようなことを言われてしまいました。心配で、育児書などで調べましたが、本によって「必ず飲ませてください」「出血がおこったら飲ませれば良い」など記述が様々です」(2002年) 2010年には、これに関連して赤ちゃんが死亡するという事件がおきました。 全体について詳しく紹介してくださっている先生の記事:「ケーツーシロップ、助産師、ホメオパシー」 (ある町医者の診療日記) 赤ちゃんはビタミンK2のかわり(のもの、と助産師が考えたもの)を投与されてしまったようですが、 「・・のようなもの」は本物とは違います。 このニュースのあとに、ホメオパシーの認知度は様々なかたちであがりました。 特に、8月24日「ホメオパシーについての会長談話」(日
感染症にあまり詳しくない人たちは、適切な医療介入をすれば感染症の患者は救命できるはず、とイルージョンを抱いている人は多いですし、 感染症を防げなかった、救命できない場合は医者や病院に落ち度があったのではなかという前提で全て考えるというズレたアプローチになります。 感染症はそれぞれ特徴があり、特定の対策が有効なものもあれば、これというパキッとした対策がないものもあります。 多少なりとも効果のありそうな対策を何重にも実施して包括的に取り組んでいますが(バンドル-束-といいます)、それでも夢のような効果には必ずしもつながりません それは感染する(広がる)、発症する、重症化する、死亡するには複数の因子が関与しているからですね。 統計の数字(インフルエンザ・肺炎死亡における超過死亡)にも限界があります。 まず、インフルエンザはこれといった超有効な対策がないことで有名。 ワクチンはありますが、効果は限
保育園内で麻しんの集団感染という、とても怖いニュース。 0歳児を保育園に通わせている保護者にとっては恐怖・驚愕。 この事例で現在把握されている5症例は予防接種歴がないそうです。 1月28日 毎日新聞 地方版 行政ファイル:安芸区の保育園ではしかの集団感染 /広島 2次3次感染が問題になる感染症ですので、終息したのかどうかの確認が重要ですが、100名以上いる保育園児とその兄弟姉妹、家族、職員の予防接種歴・罹患歴を急いで確認することが重要になります。 麻疹は、回復した後、数年後のスパンで健康問題がおこることもあります。 (自然にかかったほうが免疫が強くついてイイというような発想は間違いです) 沖縄県の報告をみてみましょう。 コンビニでおつりのやりとりをした、スポーツ大会の同じ体育感にいた、同じライブコンサートにいた、バーベキューを一緒にしたというだけで免疫の無い人(感受性者)は麻しんを発症する
(新潟症例情報のところ一部修正) 予防接種を子どもにしたくないという親から「しないと人生上なにか不都合があるのでしょうか?」と聞かれました。 集団免疫の話などはまた別の機会に。ここではご本人のリスクを考えてみたいと思います。 「医学部とか看護学部とか教育学部の進学はあきらめますかねえ・・・」(実習できない→免許はとれない) 「アメリカやオーストラリアなどメジャーなところの留学とか駐在も難しい、問題がおきると大ごとですかねえ・・・」 「妊娠・育児のとき怖いでしょうねえ・・・」 といったらそんなことは考えたこともなかった、といわれました。 (まあ、その頃には本人が自分の意思で接種できますが。それまでが怖い) 医療関係者としては「怖い」が先にきます。 怖さの実感が一般の人と医療者でずいぶんことなります。 医療機関には当然のことながら重症になった人がきます。 このため、医療者は子どものときに予防接
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