自分にとっての昭和天皇のイメージが根本的に変わったのは、アメリカの歴史学者ハーバート・ビックスの『昭和天皇』を読んでからである。僕はこの本をアマゾンで注文して入手していたのであるが、なにしろ分厚い本なので、そのまま読まずにいたら、やがて日本語訳本が出たのでこちらの方を読んだ。読みながらも、その内容に偏りが感じられる箇所がいくつかあった。偏って解釈することはできないだろうと思うことがしばしばあった。ワタシがそう思うくらいなのだから、この内容たるや、そうとうバイアスがある見方をしていると思っていいだろう。 しかしながら、その一方で、昭和天皇が生まれた時から、昭和の終わりに至るまで、その全体的な構図の中で考察していることについて。そして、これまでの日本の歴史書では触れることがなかった資料の存在などについて学ぶことが多い本であった。戦争中は軍部の行動に疑念を感じながらも、大元帥として軍の作戦企画に
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