宇野常寛の『ゼロ年代の想像力』を読んで、1週間前にこのようなエントリを書き上げた。その内容を簡単にまとめるとポイントは次の2つになる。 宇野常寛の言葉(決断主義、サヴァイヴ感)だけでは失われてしまう想像力が出てくるのではないか ゼロ年代の想像力は、90年代の想像力と地続きなのではないか(90年代の想像力を"セカイ系"と一括りにして退場させてしまうことに問題はないのか) 今回はこれを受けて、90年代の想像力とゼロ年代の想像力の接続について検討しようと思う。前回のエントリでは「批評の対象はゼロ年代の想像力を抱えた作品にすべき」であると書いたので、今回は『Fate/stay night(PC版)』を対象とし、この作品を通じて90年代からゼロ年代の想像力がどのように接続されるのかを考えたい。まずは作品について簡単に説明をしておこう。 『Fate/stay night』とは2004年にType-Mo