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  • 緊縮速報・財政再建は2019年に到達、消費増税は無名の師 - 経済を良くするって、どうすれば

    7-9月期の日銀・資金循環統計によれば、一般政府の資金過不足の名目GDP比は-1.9%へ浮上し、日の財政赤字は大きく改善した。過去3年のトレンドを延長すれば、2019年10-12月期には、基礎的財政収支の赤字がゼロとなる水準に達する。すなわち、財政再建に消費増税は無用であり、ショックで成長を毀損して再建を挫折させる恐れを踏まえれば、大義なき開戦たる「無名の師」に踏み切るのと等しい。データに基づかぬ財政の暗愚さは、国民に苦難をもたすことになろう。 ……… 財政当局は、状況を深刻に見せて、一気の増税を正当化しようとするので、出来合いの公表資料だけで判断することは、避けねばならない。このため、コラムでは、日銀・資金循環統計を基に、最新状況を把握するようにしている。その部門別の資金過不足は、概ね財政赤字に相当する。移動平均で計算される7-9月期の名目GDP比は、中央政府が-3.0%、地方政府が

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    amy385
    amy385 2018/12/23
  • 7-9月期GDP2次・設備投資の行方と消費の屈折 - 経済を良くするって、どうすれば

    今回のGDP2次速報では、消費の推計方法が変更になったこともあり、改めて消費の動向に注目してみたい。変動がやや大きくなった点は意外だったが、全体的な傾向に違いはない。2014年の増税後、消費は、所得効果で大きく落ち込んだのに加え、増加速度も明らかに落ちた。そのため、増税しなかった場合と比べ、その差は14兆円まで開いている。2019年増税で、いかに駆け込みの反動対策をしようとも、速度を鈍らせる効果は防げまい。 ……… 7-9月期GDP2次速報では、法人企業統計の結果を受け、設備投資が大きく下方修正され、前期比-2.7%まで下がったことが最大のポイントだった。災害という特殊事情がなければ、景気動向の見方を変えないといけないほどの大きな低下であり、名目値で見て、ようやく前々期を上回り、かろうじて自律成長を確認できるという危い内容だった。その背景には、年初来の輸出の衰えがあり、今後の製造業の設備投

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    amy385 2018/12/16
  • 幸福の「非」増税論-成長の具体策 - 経済を良くするって、どうすれば

    井出英策教授の『幸福の増税論』で最も印象深かったのは、「なぜ、新自由主義という間違っているはずの政策が大勢に支持されるかに思いをはせ、対策を講じる必要があった」と自己批判し、「新自由主義的な言説は、明確な成長のビジョンを示せなかった左派やリベラルの言説を無効化した」、「新自由主義やアベノミクスの誤りを力説するだけではダメなのだ」とする部分であった。成長や仕事が欲しいという国民の切実な願いを、どう受け止めるかは、極めて重要だ。これに対し、井出教授は、成長の幻想を捨てさせ、そのために消費増税による分かち合いを説くのである。 ……… 予め言っておくが、筆者は保守の立場であり、現実主義、漸進主義を信条としている。それゆえ、「ネオリベ」における自由の放埓さは、まったく受け付けない。そして、コラムでは、それに代わるべく、「明確な成長のビジョン」を示すとともに、増税なしに、社会保険の改善によって大規模

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    amy385 2018/12/09
  • アベノミクス・とうとう表れた基調の衰え - 経済を良くするって、どうすれば

    今週、公表された10月の経済指標は、軒並み強いものだった。この勢いなら、10-12月期のGDPは、3%近い高成長が期待される。ただし、災害続きでマイナス成長だった7-9月期の反動増が大きく、むしろ、基調は衰えを見せる。昨年までの輸出の好調さに慢心し、緊縮型予算で臨んだところ、今年に入って輸出が失速し、緊縮に足を取られた形だ。せっかく、設備投資が動き始めたのに、景気は勢いに乗れずにいる。この分では、次の1-3月期は、再び落ち込むジグザグコースをたどりそうだ。 ……… 10月は、日銀・実質輸出が前月比+6.6と伸び、7-9月期より+3.0高い水準だった。鉱工業生産も前月比+3.0と、7-9月期比+2.8であるだけでなく、11,12月の生産予測を単純に延長すると+4.0にまでなる。しかし、これらには、7-9月期の実質輸出が前期比-2.1だったり、鉱工業生産が-1.5だったりした反動増が含まれる。

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    amy385 2018/12/02
  • 消費増税対策が2兆円ではデフレを防げない - 経済を良くするって、どうすれば

    アベノミクスでは、2014~16年度にかけて、3兆円超の補正予算を組んできた。直前の2017年度は1.7兆円と小ぶりで、その咎めが足下の景気の弱さに来ている。そうして見れば、今度の消費増税対策を2兆円超にすると言っても、災害対策の既存の補正+0.9兆円と合わせて、例年並みになるに過ぎないということだ。これでは、強力な景気冷却力を持つ消費増税に対抗できないだろう。しかも、2019年度は、公的年金でも1兆円規模のデフレ圧力を与える予定である。この有様では、2019年度の成長率は、外需が今年並みならゼロ%台前半、不調だとマイナスへの転落もあると思われる。 ……… 10%消費増税については、1%分が幼児教育の無償化などで還元され、1.1兆円が品等への軽減税率で免除されるので、純増税は1.7兆円程度とされる。したがって、2兆円超の対策があれば、十分に相殺されると考えがちだが、それは少し甘い。まず、

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    amy385 2018/11/25
  • 7-9月期GDP1次・粗雑さの下のマイナス成長 - 経済を良くするって、どうすれば

    マイナス成長となった今回のGDP速報を名目で見ると、意外にも、一つを除いて、内需の各項目の増加率はプラスだった。その一つというのが公共投資であり、外需も含めた全体が前期比-0.3になっている中、寄与度が-0.1というのでは、輸出がコケたら、惨めな結果になるのも仕方あるまい。経済成長は、最善を尽くしてなお、確保は難しいのに、手を抜いていては、成功するはずもない。昨年度の補正予算を絞り込んだ段階で、こうなるのは、見通せたことだ。どうして、こうも粗雑さが目立つのか。 ……… 7-9月期の民間消費(除く帰属家賃)は、名目の前期比が+0.4であり、実質では、物価上昇のために-0.2に落ちてしまうが、堅調と言えるだろう。設備投資も、名目で+0.3であり、実質ではマイナスになるにしても、前の4-6月期が3%超の大幅な増加だった後であることを踏まえれば、十分なものであろう。景気の呼び水だった輸出や公共投資

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    amy385 2018/11/18
  • 貧困層の輸入が日本の国是なのか - 経済を良くするって、どうすれば

    「外国人労働者も平等に扱う」としつつ、「日人の雇用には悪影響を与えない」とも主張されているのだが、この二つは質的に矛盾する。日人を擁護するには、外国人を犠牲にせざるを得ないからだ。それなのに、都合良く、できるかのようにしてしまう。こうして左右の反対論が幻惑される中で、目の前の利権は、しっかりと獲得されて行く。矛盾が露呈し、「負債」が回って来るのは、不況になったときで、あとは野となれ山となれだ。 ……… 外国人労働者の受入れについては、中堅層以上は既に「開国」しているので、決断が求められているのは、貧困層を輸入するか否かであり、「人の自由化」なんて美しいものではない。日は、貧困層には、福祉より仕事を与えることで安定化を図り、周辺国の貧困削減には、投資と援助による経済開発で対応した。ある程度、これが成功したから、強い流入圧力にさらされずに済み、今の社会がある。その意味で、「国是」の転換

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    amy385 2018/11/11
  • アベノミクス・移民とは貧困層の輸入 - 経済を良くするって、どうすれば

    今週、相次いで出された経済指標からすると、7-9月期GDPは実質で年率-0.8%程度のマイナス成長になりそうだ。停滞する消費を始め、内需はいずれも弱いが、最も足を引っ張るのが公共投資になりそうなのは苦笑させられる。他方、税収は過去最高を望めるハイペースで、急速な財政再建が進む。今期マイナスになる外需は、中国の様子からすると要警戒である。こうした中、消費増税と移民受入れを打ち出すのは、どういう思想なのだろう。 ……… 7-9月期の消費は、商業動態の小売業が前期比+1.0と名目では健闘したが、消費者物価指数の財が、料とエネルギーの上昇により、前期比+1.3と、これを上回っているため、日銀・消費活動指数の動きからすると、実質では、若干のマイナスにとどまることになりそうだ。名目での健闘ぶりから分かるように、消費の下地は悪くなく、物価上昇が一巡した後の浮上に期待したいところだ。 次に、設備投資につ

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    amy385 2018/11/04
  • 日本経済・戦後3度目の転換点 - 経済を良くするって、どうすれば

    10%消費増税が決まり、この国は、どうしても成長したくないらしい。せっかく戦後70年余りでたった3度しかない成長加速の転換を果たしたのに、わざわざ壊しに行かずとも良さそうなものである。単純な増税反対論者はいるけれど、2021年度末に基礎的財政収支の赤字がゼロになる軌道にあること(9/23)を知らないから、負担を嫌がっているだけにしか見えず、まるで説得力がない。余計なマネをせず、現状維持に留めることが、これほど難しいとはね。 ……… 日経済が成長加速の転換点を迎えたのは、高度成長の出発点となった1954年、バブル景気の出発点だった1983年、そして、今の景気の出発点である2014年の3度しかない。それほど現状は貴重であり、つまらぬ拘りで失うのは惜しい。転換点が見て取れるのが下図の消費率の動向だ。それぞれの年でピークをつけ、これ以降、消費率とは裏腹の投資率が高まって行き、成長が加速するわけで

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    amy385 2018/10/28
  • エグい少子化論と世代間の不公平 - 経済を良くするって、どうすれば

    少子化に強い年金制度って作れないですか」と問われて、「数理的には簡単で、子供のない人には給付しないか、2倍の保険料を取ればできますよ」と答えると、何かマズいことを聞いてしまったなという反応を受ける。理屈は正しいように思えても、ポリコレ的にどうなのかというわけだ。男性なら「そうは言っても、現実的にはどうかな」という返しとなり、女性だと「そんなのヒドいです」とストレートだ。数理的な正しさなど、世間的には説得力ゼロである。 ……… 権丈善一教授の『ちょっと気になる政策思想』では、ミュルダールの少子化論が紹介されている。子供を持つ経済負担は、出生率の低下という「合理的」な選択につながり、生活の基盤を崩壊させるため、解決手段として、老年層への社会保障を撤廃するか、子供の養育費を国家が賄うかの選択となるとし、後者の道を望ましいものと位置づけ、出産と育児に関する「消費の社会化」という言葉で訴えるものだ

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    amy385 2018/10/21
  • ちょっと気になる財政赤字と社会保障 - 経済を良くするって、どうすれば

    マクロ経済を見る上で、最も重要な概念の一つは「貯蓄=投資」である。これは、会計的な恒等式であり、定義のようなものだから、正しいも何もない。ところが、その意味するところは、常識では意外に思い至らないものである。財政赤字の削減は、借金を少なくし、使っていた貯蓄を余らせる行為である。では、その余らせた貯蓄の使い途まで考える人がどれだけ居ようか。このことは、権丈善一教授の『ちょっと気になる政策思想』に出てくる左右の経済学と深くかかわる問題だ。 ……… 主流派である右側の経済学では、貯蓄が余ると金利が下がり、投資が促進されると考える。すなわち、貯蓄が余っても、自動的に投資が増えるメカニズムがあるので、投資先のことを気にせずに、思いのまま貯蓄を増やせると思っている。例えば、消費増税で政府が貯蓄を余らせると、これを使えるチャンスとばかり、企業は設備投資を増やすというわけだ。まさかね。実際には、そんな経営

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    amy385 2018/10/14
  • ちょっと気になる右左の経済学と社会保障 - 経済を良くするって、どうすれば

    いつもながら、権丈善一教授の新著『ちょっと気になる政策思想』は、おもしろかったね。供給に着目する右側の経済学、需要に焦点を当てる左側の経済学、どちらを選ぶかかで、必然的に社会保障の見方は決まってしまう。むろん、右なら生産力を増強する障害になり、左なら成長を引き出すために不可欠となる。もし、それほど思想の上で重要なら、左右の「正しさ」のほどを知りたくなるのが人情だろう。今回は、ここに焦点を当てて考えてみたい。 ……… 「成熟した経済では需要が不足するのであり、社会保障による再分配を通じて消費を補うことは、健全な成長に貢献する」という見方は、極めて良識的だ。正否を離れて、より良い安定的な世の中に資する。政策としては、これをベースに、設備投資が阻害されぬようマクロ管理を行うのが無理のないやり方だ。これが逆だと、政治的軋轢が生じやすく、経済運営の舵取りも厄介なものになる。 とは言え、この手の議論の

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    amy385 2018/10/08
  • アベノミクス・足下の停滞と先行きへの期待 - 経済を良くするって、どうすれば

    ネゴシエーションで大切なのは、何を否定していないかを読み取ることだ。「交渉中は、制裁関税はない」というのは、「交渉が打ち切られたら、制裁関税がかけられる」という意味だと考えておく必要がある。だから、油断は禁物である。自律的成長は、とば口に立ったばかりであり、輸出の支えを失うわけにはいかない。難しいのは、年末の予算編成で消費増税が確定してから、日米交渉が格化することだ。それまでに、どれだけ内需が育っているかが運命を分かつことになる。 ……… 金曜に8月の経済指標が発表され、7-9月期の鉱工業生産は、どうも前期比マイナスになりそうだ。7,8月平均が前期比-1.2で、9月予測は前月比+2.7だが、埋めきれない。災害続きで思うように生産できない面はあるにしても、輸出の減速で下地が弱まっているためである。ただし、設備投資を占う資財(除く輸送機械)は、やや強めのように思う。これが自律的成長に向けた

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    amy385 2018/09/30
  • 緊縮速報・10%消費増税が打ち砕かれるとき - 経済を良くするって、どうすれば

    自民党総裁選が終わって、10%消費増税は既定路線になったかに見えるが、これにストップをかけるとすれば、おそらくトランプ大統領だろう。制裁関税や自主規制によって、輸出というアベノミクスが頼り切っている武器を奪われ、内需まで捨てる消費増税をしたら、景気は墜落してしまい、それは安倍政権の退陣に直結しかねない。「消費増税があるので待ってくれ」という理屈が通用する親父でもあるまい。最悪は増税の進退窮まる段階での発動だ。 ……… 木曜に4-6月期の日銀・資金循環統計が公表され、一般政府の資金過不足のGDP比を4四半期移動平均で見ると、前期比-0.1%の-2.4%となり、若干の低下という結果であった。それでも、前の1-3月期が+1.6%の飛び抜けたプラスだったことを踏まえれば、順調に改善の道を歩んでいると言えよう。中央+地方政府の改善のトレンドを延長すれば、基礎的財政収支が概ね均衡するGDP比-1.0%

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    amy385 2018/09/23
  • 4-6月期GDP2次・自律成長へGO! - 経済を良くするって、どうすれば

    またぞろ、統計批判が世上を賑わせておるようだね。日頃、若手に言い聞かせてきたのは、「統計は真実の一側面、真実は多面体」ということ。経済の実態をつかむには、個々の統計の問題点も知りつつ、複数の統計を眺めて総合的に判断しなければならない。さらには、「数字の選り好みは、真実を捨てるに同じ」、「矛盾する数字こそ、新たな発見のカギ」というのは、理工系の方なら、身にしみて分かるはずだ。 ……… 確かに、毎月勤労統計の現金給与総額は、この3か月は特に高めに出ていると思う。しかし、その根拠となる参考の系列の低さが正しいとも限らない。こちらには、前年が高めだったウラが出ている可能性がある。また、もし、毎勤が虚像なら、やはり高めに出ている家計調査の勤労者世帯の実収入はどう解釈するのか。今年の春闘の結果は、経団連、厚労省の集計とも数年来の高い数字だったし、バイトの時給は、一層、高まっている。結局、前にも記したよ

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    amy385 2018/09/16
  • 現代経済学・ゲーム理論と行動経済学と制度論から見る合理性 - 経済を良くするって、どうすれば

    一般の方が経済学から最も知りたいことは、景気を良くする方法である。景気の原動力は設備投資なので、それをどうすれば盛んにできるかに言い換えられる。主流派経済学の処方箋は、その収益性を高めるため、低金利、低賃金にすれば良いというものだ。しかし、これらを実現してもなお、日はデフレ脱却に長く苦しみ続けた。経営者が不合理にも設備投資を渋るから、こうなってしまうのだろうか。 ……… よくある経済学への批判に、「人間は感情的なのに、合理的に行動するという現実離れした仮定をして、それを数理的に展開した議論ばかりしている」というものがある。それでは、多くの経営者が、低金利と低賃金を目の前に、かくも長く不合理に行動し続けたのは、なぜか。設備投資の判断は、経営の根幹であり、時間をかけ、数字に基づいて行うもので、融資や起債には外部チェックもある。そこに感情論が入る余地はない。むしろ、だからこそ慎重になって、十分

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    amy385 2018/08/26
  • 4-6月期GDP1次・景気は転換点を迎えた - 経済を良くするって、どうすれば

    「後で思えば、あの時が転機だった」というのは、誰でも言える。その最中に認識するのは極めて難しいし、当に転機に至っていたのに、次の展開で完結せずに終わることもある。それでも、ブログは自由なので、ここは「景気は自律成長への転換点を迎えた」としておこう。外れたにせよ、極めて難しい診断だけに、臆せず明らかにしておく価値はあると思うのだよ。絶好のチャンスを目の前に、この国は何をしていたかを、後に考えるためにもね。 ……… 景気の原動力は設備投資であり、設備投資は、金利や税制、まして産業政策ではなく、需要に従ってなされる。諸々のインセンティブより需要リスクが遥かに支配的だからだ。そして、景気回復の初期は、輸出・住宅・財政の追加的需要に従い、この段階が成熟すると、設備投資自身の需要や、設備投資が生み出す所得と消費の需要に反応して、自律的に設備投資が伸びるようになる。今は、その転換点を迎えたと見る。 4

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    amy385 2018/08/12
  • アベノミクス・循環しない中での消費と物価の低迷 - 経済を良くするって、どうすれば

    経済は、何もしないと緊縮のブレーキがかかる「構造」になっている。4-6月期GDPは実質年率で1%強くらいになりそうで、前期のマイナス成長からの戻りとしては、明らかに鈍い。第一の理由は、輸出の減速にあるが、税収増で財政収支が大幅に好転し、資金の循環がせき止められていることも大きい。財政が成長の果実のダムになり、家計への放流をしないと、消費は停滞し、物価が上がるようにはならない。これは、日銀の問題ではあるまい。 ……… 6月の鉱工業生産は、前月比-2.2と低下するネガティブサプライズで、4-6月期は、前期比+1.2にとどまり、1-3月期の-1.4を取り戻せないままに終わった。在庫も前期比+1.7となって、高い水準になっている。生産予測は、7月は+2.7と前月の低下を埋め合わせ、8月は+3.8と高めだが、休みの時期でもあり、割り引いて見る必要がある。こうした背景には、輸出の減速がある。4-6

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    amy385 2018/08/05
  • イノベーターのジレンマの経済学的解明の時間軸 - 経済を良くするって、どうすれば

    新進気鋭の若手の経済書を読むのは、実に楽しいね。イェール大・伊神満准教授の『イノベーターのジレンマの経済学的解明』は、とても読みやすく、構造分析がどんなものかがイメージできる好著だ。世間では、「バカだから失敗した」と一刀両断にする言説が多いが、単に論者の無理解ぶりを公にするに類だったりする。ベスト&ブライテストが誤りを犯すには相応の理由があるはすだ。こうした謙虚さを持ち、データとロジックで緻密な検証を行う。そうでなければ、犠牲に報いることはできない。 ……… 著名な経営学者のクリステンセンの『イノベーターのジレンマ』は、「大口顧客の当座の要望に耳を傾けているうちに、技術の波に乗り遅れてしまう」ことを描く。ここから、いくつかの疑問が湧く。なぜ、市場で優位にある既存企業は、「共い」を恐れて新技術を入れようとしないのか。また、既存企業なら、「共い」の脅威になる新参企業の新技術を買い取って、独

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    amy385 2018/07/29
  • 緊縮速報・再建を確かにするのに増税はない - 経済を良くするって、どうすれば

    7/9に新たな「中長期の経済財政に関する試算」がオープンになり、日経は基礎的財政収支の赤字解消は平成27年度と報じた。「わずかでも黒字になる」という意味で間違いではないが、平成26年度にはゼロになるのだから、目標到達の見通しが1年早まったと表現する方が実態を表しているように思う。2017年度の国の税収の上ブレによって、収支のグラフが上方へシフトしたことが重要なわけだから。 ……… 「中長期」を見る上で最も注意すべきは、足下の税収で目標到達の年度が動く点にある。これは、足下の税収をベースに、将来の税収を計算していくからである。したがって、ベースの税収が現実的か否かのチェックが欠かせない。国の税収を見ると、2017年度の実績が58.8兆円に対し、2018年度の見込みが当初予算額どおりの59.1兆円でしかないことに気づく。その差は、わずか0.3兆円、0.5%増にとどまるという、不自然な設定だ。

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    amy385 2018/07/15