いまだに世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルス。発端となった中国では権威主義的体制の下の人流抑制によっていちはやく「封じ込め」に成功したが、それにより国民の間では民主主義的体制への懐疑さえ生まれているという。 中国情勢に詳しいフリージャーナリスト、高口康太氏の著書『中国「コロナ封じ』の虚実 デジタル監視は14億人を統制できるか』(中央公論新社)では、習近平体制のもと「健康帝国」へと突き進む中国の深層に光を当てる。ここでは同書の一部を抜粋。新型コロナウイルス発生直後の中国で行われた「封じ込め」が成功した知られざる背景に迫る。(全2回の1回目/後編を読む) 膨大なイレギュラーケース 湖北省の約5800万人のロックダウン、中国14億人の外出規制――これらを指示することはたやすいが、違反者がいないかを監視し、かつ限りなく発生するイレギュラーケースを処理するにはおびただしい人員が必要となる。
![中国政府は新型コロナウイルスの拡大抑制に成功した!? 日本人が知らない“中国式ロックダウン”の“知られざる真実” | 文春オンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bba096fe7ebb2d83dcdcf605b0424844cdba0a0d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbunshun.jp%2Fmwimgs%2F6%2F9%2F1200wm%2Fimg_69b0d45d0441bdb250dddbef575fc9e81069136.jpg)