イワルさんは、1931年9月3日タロコ族の村で生まれました。生まれたときには霧社事件に巻き込まれて亡くなったという父はすでにおりませんでした。再婚した母親と義父の元で暮らしましたが、やがて母親が亡くなったため、結婚して伯母が住んでいた花蓮・榕樹に山を越えて移り住みました。 イワルさんは、1944年、自分の住む村の近くの日本軍の部隊で雑用(掃除・炊事・ボタンつけ、洗濯、洗濯物たたみ)などをするようにと日本人巡査にいわれ、他の女性4人と一緒に働きに出ました。みな既婚女性たちでしたが夫たちはみな、南洋に軍夫として出ており、イワルさんの婚約者も同じでした。