タグ

ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (10)

  • おっさんから若者に贈る「経験を買う」6冊: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    結論から言うと、経験は買える。 適切なタイミングで適切なと出会うことで、しなくてもいい経験や、身につけておくべき知恵を”買う”ことができる。今「おっさん」である私から、20年前の「若者」だった私に、いい仕事をする上で読んで欲しいを選んだ。 20年前は、炎上プロジェクトに飛び降りて、鎮火しつつ撤退する「しんがり」役を仰せつかっていた。負けることは決まっているが、死なないように生きることばかり考えていた。将来に漠然とした不安を感じていたものの、とにかく目の前の障壁をクリアすることが先決だと思っていた。 今はかなり違う。 身をもって得た経験や教訓はあるが、代償は大きく、もっと効率よく結果につなげることができたはず。この「効率」とは要するに時間だ。莫大な時を費やして手に入れた経験は確かに得難いが、そんなことをしなくても積むことはできた。どうすれば可能か、今なら分かる。 それはを読むことだ。

    おっさんから若者に贈る「経験を買う」6冊: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • ユニークな分析哲学入門『今夜ヴァンパイアになる前に』

    「ヴァンパイアになれるチャンスがある」思考実験から始まる分析哲学。 もちろん「ヴァンパイアになる」はメタファーだ。結婚する、子をもつなど、見通しが不透明で、人生を劇的に変えてしまうような判断を指す。この決断を迫られたとき、どうすれば合理的な意思決定が導けるかを、徹底的に考え抜く。深くて濃くて、ユニークな一冊。 象徴的とはいえ、「ヴァンパイアになる」は言いえて妙だ。あなたの友人の何人かは既にヴァンパイアになっていて、その生活形態や価値観について、色々と教えてくれる。人ではとても理解できない仕方で、この世界を理解することができるという。ただ、ヴァンパイアとしての理解を、人に説明することは、とてもできない。この充足感と万能感は、文字通り人知を越えており、それがどんなものであるかを知るには、ヴァンパイアになるしかない。 問題はここからだ。この状況で、あなたは一体、どうやって十分な情報に基づいた選択

    ユニークな分析哲学入門『今夜ヴァンパイアになる前に』
  • 人工知能=科学∩技術∩哲学『人工知能のための哲学塾』

    人工知能を実現するための、哲学的な手がかりとなる一冊。 人工知能は、科学、技術、哲学が交錯するところにある。「知能とは何か?」を問うのが哲学であり、この問いを探索するのが科学であり、実現するのが技術になる。最近の人工知能ブームでは、科学と技術に目が行きがちだが、書は根のところから応えようとしている。新しく見えるだけの場所から離れ、現象学や認識論を俯瞰することで、現在の人工知能の限界が逆説的に見えてくる。 ブームに乗っかって、たくさんが出ているが、わたしが求める「質」は無い。たいていの人工知能は、「考える」が質であるといい、意思決定用のモジュールを積めばよしとする。「考える」とは何かという問いは保留され、おなじみの「入力→処理→出力」ルーチンに落とし込まれる。 そして、意思決定のためのデータを機械学習で増やしたり、アルゴリズムに動的にフィードバックさせる話になる。プロ棋士に勝つソ

    人工知能=科学∩技術∩哲学『人工知能のための哲学塾』
  • 私の境界は外に開いている『具体の知能』

    プレステVRで「バイオハザード7」を初めてプレイしたとき、面白いことが起きた。「寒く」なったのだ。 暑い盛りでクーラーきいてなくて汗かいているのに、「寒い」のだ。もちろん、めちゃくちゃ怖い思いをしたので寒く「感じた」のかもしれないが、違う。吐く息は白く、鏡は曇る。「私が」物理的に寒いのだ。ヘッドセット&ヘッドホンに包まれた頭を動かした分だけ、世界の「見え」と「聞こえ」が変わってくる。あの、空気の感じを、肌だけではなく眼でも知覚してたんやね。 ラバーハンド実験もそう。自分の手を隠し、代わりに物そっくりのゴム製の手を並べておく。ゴムの手に対し、ブラシで撫でたり、氷を近づけると、隠した自分の手が「触られている」「冷たい」と錯覚してしまう実験だ。あるいは、「停止したエスカレーター」を歩いたことはあるだろうか? あの黒い階段は動いているという思い込みのため、足の踏み出しが難しく感じたことはないだろ

    私の境界は外に開いている『具体の知能』
  • 知の科学へようこそ『教養としての認知科学』

    知的システムと知能の性質を研究する認知科学の入門書。人はどのように世界を認識しているか? より知的な存在を作り出すことができるか? 「考える」とは何か? そのとき何が起きているのか? といった疑問を抱いている人にとって、格好の入り口となる一冊。 なぜなら、この領域は下記のごとく広範囲で学際的だから。むしろ、「知の科学」はつかみどころがなさすぎて、いったん扱える範囲に切り分け、それぞれの専門分野から光を当てないと、攻略すら難しい。 人工知能(ニューラルネット、コネクショニズム)★ 神経科学(認知神経科学、脳科学) 哲学  (心の哲学、認識論)★ 心理学 (認知心理学、進化心理学、文化心理学)★ 言語学 (生成文法、認知言語学) 人類学 (認知人類学、認知考古学) 社会学 (エスノメソドロジー、ナラティブ分析) 書は、青学・東大の人気講義を書籍化したもので、「知の科学」を多角的に紹介している

    知の科学へようこそ『教養としての認知科学』
  • 糞システムにしないため、私ができること『はじめよう! 要件定義』

    「なぜ糞システムができあがるか?」の答えは、「一つ前の仕事をしている」に尽きる。 詳しくはリンク先を見てもらうとして、まとめるなら、自分の仕事のインプットが出来てないので、仕方なく前工程の仕事を代行しているうちに、リソースと気力がどんどん失われているからになる。これはプログラマに限らず、SEからPM、テスタや運用を入れても、当てはまる。「何をするのか」が決められない経営層が糞だから、あとはGIGOの法則(Garbage In, Garbage Out)に従う。 では、どうすればよいか? 「“何をするのか”を決めてもらう」という回答だと、連中と同じ肥溜めに落ちている。なぜなら奴らの“目標”とは、「売上を○%ストレッチする」とか「新規市場を開拓する」といった、現状を裏返した願望にすぎないから。売上アップ/新規開拓のために、どこに注力して、何にリソースを使い、そのために必要な道具(システム)を“

    糞システムにしないため、私ができること『はじめよう! 要件定義』
  • 人類を定義する一冊『人類はどこから来てどこへ行くのか』

    挑戦的なタイトルで「人類とは何か」に迫った一冊。 大上段で、具体的で、断定的で、しかもツッコミまくる読書になる。私だけが真実に最も近いという自負心が透け見えて面白い。強引なレトリックに鼻白むことはあっても、その主張が核心を突いていることが感じられ、興奮させられる。賛否は割れるだろう。だが、「人類とは何か」について考えさせるのが著者の目的だとすれば、書は大成功しているといえる。 著者はハーバード大学の生物学者。分子遺伝学、神経科学、進化生物学、考古学、生態学、社会心理学、歴史学の視点から、ゴーギャンがタヒチで書き付けたこのテーマを照らす。 われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか 「われわれは何者か」この認識は、立場や自尊心によって歪められる。神学者からファシストまで、特定のイデオロギーの信奉者は、「人類の性」を自分に都合良く定義してきた。特に経済学者に多い

    人類を定義する一冊『人類はどこから来てどこへ行くのか』
  • 子どものために、できること「40歳の教科書」

    親業の確認のつもりで読む、だいたい合ってた。 親を見て子は育つ。だから、子の努力を望むなら、まず親が努力する。「幸せ」とは何か伝えたかったら、親がイライラするのをやめる。「英語」はツールにすぎないが、「お金」の教育は重要。学校は人間関係を学ぶところだから、失敗の練習場と思え。社会に出ると、失敗は有償だぜ。 受験マンガ「ドラゴン桜」をにした「16歳の教科書」、その番外編が「40歳の教科書」になる。以下の4テーマに対し、強いメッセージ性をもつ人からのインタビュー集といったところか。一問一答に「まとめ」ると、こんなん。 英語早期教育 「もっと早く英語の勉強をしておくんだった…」 「小学校から英語なんて、破滅するぞ!」 中高一貫校 「早いうちにいい学校に入れば、あなたがラクできるのよ 「その受験で幸せになるのは、子どもじゃなくてあんただろ!」 お金仕事お金の話をするのは恥ずかしい」 「お金

    子どものために、できること「40歳の教科書」
    andreryu
    andreryu 2011/11/27
  • ライター必携「調べる技術・書く技術」

    一行目から気に入った。簡潔に、こうある。 あるテーマを設定し、それについて調べ、人に話を聞き、最後にまとめる技術を紹介するのが、書のねらい もっと焦点をしぼれば、 ノンフィクションのテーマ設定 資料収集のノウハウ インタビューのアポとりと準備 インタビュー(聞き取り、観察、記録) ネットワーク作り 資料整理 そして執筆の準備から脱稿までの方法丁寧に徹底的に書かれている。プロフェッショナルの具体的な技術が明かされている。こんなに詳らかにしてもいいのかしらんと心配になるほどオープンだ。 野球のバッティングにたとえるなら、「フォーム」にあたる部分が書。ノンフィクション・ライターとして培ってきた膨大な技術の中から、一般にも役立ちそうな「フォーム」をレクチャーしてくれる。 興味深いのは、書き手が「いい嘘」をついているところ。 一般化できそうな「フォーム」に限定しているから、「著者の独創は最小限に

    ライター必携「調べる技術・書く技術」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 本ばかり読んでるとバカになる

    の探し方についてのエントリ「を探すのではなく、人を探す」において、「目的を持って読む」と書いたが、具体的に何をどうすりゃいいのか、書いてない。を選ぶまでが前回のエントリなら、ここでは、選んだをどうやって読んでいるかについて、書く。 最初に やはり長くなりすぎたこのエントリのまとめ↓ 読書は他人にものを考えてもらった結果をなぞるだけだから、自分のアタマでものを考えなくなる。そうした受動的な読書を打ち破るために、オキテを作って実践している。 オキテ1:読むだけの読書にしない、オキテ2:読んだら表現する、オキテ3:読んだらフィードバックする、の3つ。その結果、読書の対象に広がりと奥行きと深みが増した。特にオキテ2を強力にオススメする。 まとめ終わり。文どぞ。 ばかり読んでるとバカになる ショウペンハウエルが「読書について」でいいこと言っている。読書は他人にものを考えてもらうこと。だか

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 本ばかり読んでるとバカになる
  • 1