「広島には2チーム分の戦力がある」 森保一監督は開幕前からこう広言していた。高萩洋次郎(現FCソウル)や石原直樹(現浦和レッズ)、さらにファン・ソッコ(現鹿島アントラーズ)といった主力が広島を去り、選手層はむしろ薄くなった。それが周囲の評価だったのに。 「トレーニングの質が高く、試合以上の厳しさでやれていることが僕らの強み。いつもピッチに出ている選手の力だけでなく、試合に出ていない選手のおかげで優勝できたと思っています」 今シーズンはキャリアハイとも言える圧巻のパフォーマンスを見せたミハエル・ミキッチも、2ndステージ優勝の要因に「選手層の厚み」を挙げた。 「チーム内の競争が常に激しい。誰が出るのか分からない状態を練習からキープできているから、いい化学変化がチーム内で起きた」 今シーズン、森保監督が取った手法は、ある意味で「ギャンブル」。シャドーの主力が移籍したことを引き金として、全ポジシ