cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
生前退位の問題は、戦後民主主義と象徴天皇制が迎えている危機を今上天皇が強く意識していることがあると語る片山杜秀氏今上天皇の「退位」の核心をついた突いた新書が話題を呼んでいる。 政治学者の片山杜秀(もりひで)氏が、国家神道研究の泰斗である宗教学者の島薗進氏との対話で解き明かした『近代天皇論――「神聖」か、「象徴」か』(集英社)だ。 そこで片山氏を直撃、民主主義の危機ともいえる今の政治状況と「お言葉」とのつながりについて訊いた。 * * * ―『近代天皇論』の中で、片山さんは〈戦後民主主義と象徴天皇制について「お言葉」ほど真摯に考えられたものを他に知らない〉とおっしゃっています。 片山 今回の生前退位の問題は、ご高齢と健康による問題だと多くの人が捉えていると思います。しかし、その背景には今、戦後民主主義と象徴天皇制が迎えている危機を今上天皇が強く意識していることがあると私は思います。 問題は、
——アイドルグループのSMAPが解散しました。およそ1年前の2016年1月18日、独立の話が表に出てきた際に、フジテレビ系「SMAP×SMAP(スマスマ)」の生放送で、5人が謝罪しました。どう見ていましたか。 私は芸能取材の経験も長いので、公の場で謝罪をさせられる姿に、そこまで驚かなかったんですよ。ただ、意外にファンはアイドルが置かれている異様な状況をあまり知らないですよね。ジャニーズは、トップのジャニー喜多川さんを始め事務所スタッフが、積極的に表には出てきませんから。 ——SMAPは一部のメンバーが、ジャニーズ事務所の所属とは違うかたちで活動をしたかったようですが、情報も錯綜しました。本人たちがハッキリと自分の言葉を発表できないのは異様です。単純に比べられないですが、ハリウッド俳優のメリル・ストリープがトランプ大統領を公の場で批判するなど、アメリカでは芸能人が自由にモノを言えるように見え
たしかに読んだはずなのに、本屋で探しても見当たらない……。世の中には発売はされたものの、発禁や自主規制など「大人の事情」で消えてしまったマンガが多くある。近年インターネットなどを中心にさまざまな噂が飛び交っているが、メジャー誌の人気作品からカルト作品まで、マンガが社会から消された裏にはどんな理由があったのか?『消されたマンガ』(鉄人社刊)の著者、赤田祐一氏とばるぼら氏に話を聞いた。 赤田「主な理由は差別表現や差別用語、性描写ですが、流通を通して売る以上は仕方ない部分もあると思います。ほかに多いのは企業名などですね。マイナー作品に関してはそういった部分のチェック機構が確立していないのもあるでしょう。出版大手になると校正がしっかりしていますからね。それでもだいぶ抜けていますが(笑)」 やはり、差別とエロ、そしてグロの危険性はマンガ界でも別格なようだ。用務員に対する職業差別だとして問題になった『
「大丈夫?」の声に辟易。あまり気にしていなかった幼少期 類が赤ちゃんだった20年以上前の日本では、まだ「発達障害」なんて言葉を聞いたことがありませんでした。 赤ちゃん時代の類の様子について、私自身は正直、あまり気にしていませんでした。 本の中で類が少し書いていますが、保育園の頃、合唱のがなり声が嫌で座り込んだり、工作やお絵描きに興味を示さなかったり、思い返せば、発達障害と結びつくエピソードはいくつかあるのですが、「嫌いだから、やらないだけでしょう」くらいに思っていました。 実際、保育園の先生や、子育ての先輩ママたちから、 「類くんだけ、○○ができません」とか、「ふつう●歳になったら、これができるはずなのに、まだできません」と、プレッシャーをかけられることは多々ありました。 人と同じことができなかったり、人と違ったりすると、すぐに「大丈夫?」と言われる風潮には、正直、辟易としていました。 私
人間の狂気… 本当にあった非人道的すぎる臨床実験 5 Psychology Experiments You Couldn't Do Today 人間の心理を深く知るために、研究者は人間を被験者として臨床実験を行うことがあります。今日、私たちが用いる倫理基準は、1970年代、研究者たちがボランティア被験者の身の安全とプライバシーを守るために作成した「ベルモント・レポート」というルールに基づいて行われています。しかし、歴史に残る心理学の臨床実験の多くは、今日の基準では非倫理的とされるものでした。今回の「SciShow」では、実際に行われた非人道的な臨床実験5つを紹介します。 昔は問題のある臨床実験が多かった ハンク・グリーン氏:人間の心の研究は、扱いの難しいテーマです。わからないことはいまだ数多く、研究者が解明を続けています。 研究者が人間を被験体として扱う場合、研究の解明と、被験者の保護との
Adolf Hitler delivering a speech to the German people during the Party Congress of the NSDAP in Nuremberg, 1935, Weimar Republic. (Photo by: Photo12/UIG via Getty Images) 8月に入った日本列島は、大雨や落雷が相次ぎ、不安定な天候が続いています。7月26日未明に起きた相模原市の事件は、入所中の重度の障害者を狙った大量殺傷事件で、鉄のツメで胸をつかまれるような衝撃が今もなお残っています。先週、私は「ヘイトクライム(憎悪犯罪)」の拡散・連鎖の根を絶つために」(2016年7月28日) という記事をまとめて、緊急に寄稿しました。これまでにないぐらい、多くの人から意見や感想をいただき、私自身もこの1週間、考え続けました。 被害者情報が
映画「ら」トークショーレポート 性犯罪被害者の女性監督が語る、「なぜ、逃げなかったのか」という言葉の暴力性 今年の3月、埼玉県朝霞市で2014年3月から行方不明になっていた女子中学生(15歳)が東京都中野区にて保護されたことが報道され、世間を騒がせました。少女は男に誘拐されて2年にわたり監禁された末、男の留守中に隙を見て逃げ出したとのことです。 「少女が無事保護されてよかった」と多くの人が安堵する一方、ネット上では「もっと早く逃げ出せたのではないか」「誘拐・監禁ではなく単なる家出だったのでは」といったコメントも飛び交いました。この事件を受け、性被害をテーマにした映画「ら」の緊急特別トーク付き上映会が4月29日、渋谷アップリンクにて開催されました。「ら」は、水井真希(みずい・まき)監督自身が体験した性被害をもとにした作品。水井監督と、武蔵大学教授で現代社会学者の千田有紀(せんだ・ゆき)さんが
ネットを回遊していると、ときどき、「会社をやめて、これからはブログで食べていこうと思います」と宣言する若者たちを目にします。 個人的な利害関係があるわけじゃないので、「ああ、頑張れよ」と思うくらいなのですが、彼らに対して、ネット上では逆風が吹き荒れることが多いんですよね。 僕は彼らに「危うさ」を感じる一方で、そういうのが新しい生き方のひとつであり、それで食べていけるという選択肢が世の中にあるほうが、生きやすいのではないか、とも思っています。 若いうちであれば、何かやってみてうまくいけば万々歳だし、失敗しても、「それもまた経験のひとつ」として今後に活かせるところもあり、ブラック企業、あるいは「どうしても自分に合わない場所」にしがみついているよりはマシなんじゃなかろうか。 でもなあ、そうやって「理解のある大人」であろうとしながらも、僕のなかには、なんだかすごくモヤモヤとした感触が残っていたので
サウジアラビアでは「勧善懲悪委員会」、ISでは「ヒスバ」、イランでは「ギャシュテ・エルシャード(道徳パトロール)」と呼ばれる宗教警察があり、礼拝や断食をさぼっていないか、女性がスカーフをきちんと着けているかなどを取締っている(サウジアラビアにあるイスラームの聖地メッカ) Ahmad Masood-REUTERS 少し古い話だが、3月はじめ、たまたまテレビを見ていたら、よくメディアに登場する予備校講師が「イスラム国(IS)はワッハーブ派である」と断言していた。それに対し共演のジャーナリストが「そのとおり。ISの行動は世界史の教科書で理解できる」と相槌を打っていた。 ワッハーブ派というのは、18世紀のアラビア半島に現れたイスラーム法学者、ムハンマド・ビン・アブドゥルワッハーブの名に由来する。彼の考えかたが現代のサウジアラビアの建国理念に強い影響を与えており、それゆえ、サウジアラビアのイスラーム
スピン経済の歩き方: 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。 「情報操作」というと日本ではネガティブなイメージが強いが、ビジネスにおいて自社の商品やサービスの優位性を顧客や社会に伝えるのは当然だ。裏を返せばヒットしている商品や成功している企業は「スピン」がうまく機能をしている、と言えるのかもしれない。 そこで、本連載では私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」を紐解いていきたい。 「世界を股にかけた年商30億円の一流コンサルタント」というふれこみだったが、現実の拠点は恵比寿の雑居ビルやらレンタルオフィス、Webサイトに「共同経営者」として紹介されていた「ジョン
「非正規雇用が増えたのが問題」は、大きな間違い!アベノミクス下の日本経済「本当の読み解き方」を教えよう 景気の「マイナス 」は本当か? 2015年10〜12月期の国内総生産(GDP)が年率換算でマイナス1.4%になった。一方で、昨年は「正社員の増加数が非正規の増加数を上回った」という明るいニュースもある。景気はこれからどうなるのか、そして安倍晋三政権はどうするのか。 まず、先に発表されたGDPの数字を確認しよう。 10〜12月期のGDP速報値(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf)で注目されたのは個人消費の弱さだった。なぜかといえば、個人消費が増えていると、家計が先行きに安心感が抱いている証拠になる。だから先行きも明るいとみていい。しかし逆に弱いと、家計が将来に不安を抱いて
参院選の直前にゲストスピーカーの1人として参加する予定だった催しが中止になった。選挙権のない高校生と大学生を集めて、模擬投票と意見交換をしようというイベントだった。 企画の一部にマニフェスト評価のネット中継というのがあり、これが未成年者の選挙活動にあたらないかを総務省に確認したところ、答えが「まだ凡例もなく法にゆだねる」で、危険性を排除できないので断念したという。 高校生、大学生とじかに話せると楽しみにしていたのでなんとも残念だったが、少しほっとした部分もある。「なぜ投票しないといけないんですか?」と質問されたらどう答えようかと、ドキドキしていたからだ。 なぜ投票すべきなのか。教科書的な答えはいくらでもできるが、そもそも大人でさえ納得できていないから投票率は上がったり下がったりするのだろう。昨年末の衆院選は史上最低の投票率だったし、今回の参院選も野党が弱体化した状況が過去最低の投票率だった
ミャンマーで55年ぶりに行われた「自由で公正な選挙」では、アウン・サン・スー・チー率いる野党が勝利した〔PHOTO〕gettyimages 文/竹田圭吾(ジャーナリスト) 2015年の国際情勢を漢字一文字で表すとすれば、どんな字がふさわしいだろうか。ギリシャの財政難、ヨーロッパの難民危機、過激派組織「イスラム国」(IS)やテロとの戦いの苦難などを考えれば、それこそ「難」が無難だろう。 しかし、僕はむしろ「独」という字を選びたい。ミャンマー総選挙におけるアウン・サン・スー・チー率いる野党・国民民主連盟(NLD)の勝利は、無血の「独立革命」が成就されたと言っていい。 ドイツの存在感が際立った2015年 アメリカとキューバの国交回復とイラン核交渉の合意は、キューバとイランが「孤独」から抜け出したという点で歴史的な意味を持っている。一方で、南シナ海で人工島の造成を急ピッチで進める中国の「単独行動主
世界歴代最高得点を大幅更新、グランプリファイナル3連覇に続き、全日本選手権の4連覇も果たした、フィギュアスケートの羽生結弦。この快進撃に「絶対王者」「神」などの称賛の声があふれ、雑誌「an・an」(マガジンハウス)の表紙を飾ったり、大晦日のNHK紅白歌合戦の審査員にも決まるなど、連日メディアに引っぱりだこだ。 このフィーバーぶりを羽生自身はどう受けているのだろうか。 12月15日生出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)でも、古舘伊知郎から世間やマスコミの移り気な対応を感じることはないかと問われた際、こんなふうに答えている。 「ソチオリンピック後、昨シーズンは怪我などもあり、思ったような成績が取れなかった。最初に成績が取れなかった時ほど大きく取り上げられて、その後にサッといなくなる感じが、すごく虚しいというか。まあ、それはそれで安心する部分もちょっとあったりとかするんですけど。その、練習
「ココイチ」の愛称で知られる「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋は、食品大手のハウス食品グループ本社の子会社になる。壱番屋創業者は宗次徳二氏と妻・直美氏。TOB(株式公開買い付け)に応じる宗次夫妻は単純計算で220億円のキャッシュを手にすることなる。 宗次氏は、「ベンチャー通信」(イシン/2006年4月号)で自身の壮絶な人生を回想している。戸籍上は1948年10月14日、石川県生まれとされるが、両親が誰なのかわからない。兵庫県尼崎市の孤児院に預けられ、3歳の時に宗次福松・清子夫妻の養子となる。養父は競輪やパチンコのギャンブルが好きで働かず、15歳まで生活保護を受ける生活だった。家賃を払えないため廃屋を転々とした。 愛想をつかして養母は失踪。養父と2人、ろうそくの明かりで雑草を抜いて食べて飢えをしのいだ。近所の暖かな食卓がうらやましくて、食卓を覗く日々だった。煮干しがご馳走だったと
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