【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)はアジア・中東やアフリカなどからトルコ経由で陸路、ギリシャに渡る不法移民の流入を食い止めるため、両国国境地帯のギリシャ側に警備隊「緊急国境介入チーム」を派遣することを決めた。同チームは加盟国の国境管理支援を目的に07年に設立され、派遣は初めて。不法移民の取り締まりは域外と接するEU加盟国の負担となっており、事態を重く見て「助け舟」を出した形だ。 アフリカやアジアの途上国からEU諸国を目指す不法移民の経路は(1)北アフリカから地中海を渡って南欧諸国に達する「南北ルート」(2)中東・アジア方面からトルコを経由してギリシャに入る「東西ルート」--に大別される。だが、イタリア、スペイン、マルタが近年、地中海での取り締まりを強化したため、トルコ・ギリシャ国境に不法移民が殺到する構図になっている。 EUの欧州対外国境管理協力機関(FRONTEX)に