政府系法人の常勤役員ポストに現役の官僚が出向する「現役出向」が増えている。退職した公務員による政府系法人への再就職(天下り)は、規制が本格化した2010年度からの6年間で53%減ったが、現役出向は逆に44%増えた。常勤役員の4人に1人が国家公務員経験者という構図は変わらず、現役出向が天下り規制の「抜け道」になっている。 国家公務員が監督先の法人を再就職先にする天下りは省庁と法人の癒着を生み、税金の無駄遣いにつながるとして08年に規制された。現職の公務員が法人への再就職のあっせんや求職活動をすることは禁止されたが、現役出向はこうした規制の対象外とされた。 内閣人事局などの公表資料を分析すると、天下りで政府系法人の常勤役員に就任した国家公務員OBは、規制後の10年度(270法人)が196人だったのに対し、16年度(259法人)は93人へと半減した。これに対し、現役出向で常勤役員に就いた国家公務