温室内につるを広げた「紅イモの樹」に実ったサツマイモを観察する程瑞鋒博士=6月29日、北京・中国農業科学院(共同) 温室の中で、鈴なりのサツマイモがつるからぶら下がる「紅イモの樹」。昨年、中国農業科学院が特許登録し、内外の注目を集めている。 培養液の中の根から、茎を垂直に伸ばし、果物のようにイモを実らせた。トマトやメロンの空中栽培は日本でも見られるが、イモは画期的。視察した千葉大客員教授の古在豊樹氏(植物環境工学)は「見てびっくり。根菜類が空中で育つことを証明した世界でも例のない栽培法」と評価する。 一年中、繰り返し実り、地中に比べ同じ面積で2倍以上の収穫が見込まれる。実験中の株は160平方メートルの空間に、約2年間で1トン以上の実をつけた。 研究者の一人、程瑞鋒博士は「厳しい気候の砂漠や宇宙での栽培も考えられる」と夢を語った。(共同)