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ブックマーク / psychodoc.eek.jp (2)

  • 精神界の帝王 島田清次郎 on the Net

    全体が己れに反対しても世界全部は己れの味方だ。 世界全部が反対しても全宇宙は己れの味方だ。 宇宙は人間ではない、だから反対することはない。 だから、己れは常に勝利者だ。 島田清次郎は、今ではほとんど忘れ去られていますが、石川県出身で大正期に人気のあった作家です。20歳で出版した長篇『地上』が大ベストセラーになり、一時は天才作家としてもてはやされていました。アメリカ、ヨーロッパを外遊し、アメリカではクーリッジ大統領、イギリスではH.G.ウェルズとも面会。しかし、「精神界の帝王」「人類の征服者」と自称するなどの傲岸不遜な言動は文壇で嫌われ、女性スキャンダルで一般の人気も急落。早発性痴呆(現在の統合失調症)と診断されて精神病院に収容され、肺結核のため31歳で死去しました。

  • 狂人となつた島田清次郎君を精神病院の一室に訪ふ記

    暗いところに種を蒔いて、ごく僅かな光線しか与へないと、その芽は苦もなく生長して、青白い細長いものになる。所謂『萌(もやし)』は、かうしてできる。萌は結局もやし(、、、)で、種にはならぬ。 どんなに早く成長したにせよ、それが軅(やが)て花を咲き実を結ぶ植物になるとは期待し兼ねる。 立派な樹木、丈夫な草木になる筈の種を、単に『萌(もやし)』に終らせるのは、却つて場所を暗くしたものにその責めはあるわけだ。 青春二十一二で一躍文壇の寵児となり、名を天下になした『天才』島田清次郎君は、今『狂人』として、東京市外巣鴨の保養院の一室に淋しく療養してゐる。 彼は実に『天才』といふ世評に反かず、その出世は早かつたが、またあまり綺麗に『天才と狂人』の距離の近いことを説明してしまつた。 『天才』が『狂人』になるのは、医学上からは少しも不思議はないさうだが、社会が天才に対して非常な賞讃を送り、優遇をしながら、狂人

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