日本全体が己れに反対しても世界全部は己れの味方だ。 世界全部が反対しても全宇宙は己れの味方だ。 宇宙は人間ではない、だから反対することはない。 だから、己れは常に勝利者だ。 島田清次郎は、今ではほとんど忘れ去られていますが、石川県出身で大正期に人気のあった作家です。20歳で出版した長篇『地上』が大ベストセラーになり、一時は天才作家としてもてはやされていました。アメリカ、ヨーロッパを外遊し、アメリカではクーリッジ大統領、イギリスではH.G.ウェルズとも面会。しかし、「精神界の帝王」「人類の征服者」と自称するなどの傲岸不遜な言動は文壇で嫌われ、女性スキャンダルで一般の人気も急落。早発性痴呆(現在の統合失調症)と診断されて精神病院に収容され、肺結核のため31歳で死去しました。