2013年春に中国の国家主席に就任して以来、汚職摘発政策や愛国主義キャンペーン・個人崇拝の提唱など、強面(こわもて)の政策を打ち出し続ける習近平。そんな彼に、今年2月28日から新たな話題が加わった。党中央機関紙『人民日報』の出版部門が、『習近平用典』なる書籍を刊行したのだ。 これは習が過去の著書や講話で引用した中国古典の、典拠と解説を135本(重複があるため、典拠は139本)も集めて紹介する一冊。あとがきによれば、「習近平総書記の思想の神髄を正確に理解する助けとなる」とのことで、実にありがたい本であるそうだ。 単なる個人崇拝目的のプロパガンダ書籍としか思えない本書。 だが、そんな『習近平用典』をあえて真面目に分析することを通じて、習近平の「博識」イメージがどんな人々によって支えられ、どんな形の国家統治を招いていくのかを、勝手に推理してみようというのが本稿の試みである。 「中国古典のオールス
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