私たちは一生の3分の1を、睡眠という謎めいた潜在意識の世界で過ごしている。普段は意識されないその世界を垣間見せてくれるのが、夢だ。 夢はただ見るものであって、現実の生活にはほとんど何の意味もないと思うかもしれない。だが今、マサチューセッツ工科大学(MIT/アメリカ)の研究グループは、夢をハッキングして、それを実用的なものにしようとしている。 夢に入り込み干渉するとどうなるのか? 「夢は、夜の思考にすぎません」と、MITメディアラボ博士課程の学生アダム・ホロウィッツ氏は話す。 「内側に潜れば、朝には変わっているでしょう。でも情報のそうした変化の体験やそれを導く思考について深く考えることはありません。」 ホロウィッツ氏らが取り組んでいるのは、そうした問題だ。過去の研究によって、夢が記憶の強化・感情の制御・メンタルヘルスの維持といったことに関係しているらしいことが明らかにされている。 だが、彼ら