国鉄万世橋駅は、国有鉄道(休止時、運輸通信省鉄道総局)中央本線にあった駅。東京都神田区(設置当時東京府東京市神田区、現: 千代田区)の神田駅と御茶ノ水駅との間にあった。 前史[編集] 神田川に面する万世橋界隈は江戸時代から繁栄していた。万世橋の南側に位置する田町(後の多町、現・神田多町)には、青物商が集まっていた。青物商は17世紀初期(慶長年間)から田町、連雀町、佐柄木町に散在しており、1657年(明暦3年)の明暦の大火の直前には81軒まで増えていたが、同大火の後、多町にまとめられた。享保の改革が行われた1724年(享保9年)に幕府御用達となってからは急速に発展し、後の神田市場の母体となる。神田川北岸には、米、薪炭、竹などの問屋があったほか、職人仕事の諸材料の荷受け地でもあった。幕末期には、住宅地としても発展した。幕府が財源確保のために、ところどころを町人に貸したこともあって、神田っ子の町