Immanuel Wallerstein「近代世界システムI」を読み始めた。それなりに、事前の準備の読書はしたつもりだったけれど、Europeの歴史に関する予備知識が不足してうまく理解できないところも多い。今は、ざっくり大筋を押さえて、細部の歴史について理解できるようになってから再読しようと思う。 第7章が総括になっているので、序章を読んだ後、第7章に目を通し、そのあと第1章に戻って読み進めると理解しやすいかもしれない。 簡単に要約をしておこうと思う。 第1章 近代への序曲 1450年頃以降のEuropeにおいて、資本主義的な「世界経済」(「世界帝国」と異なり政治的統一はなされていないが、一体的な経済システム)の生まれる素地が成立した。それは「世界」的な規模での分業体制と、いくつかの官僚制国家である。 15世紀における中国は、大規模な国家官僚制、貨幣経済、技術もあり、資本主義の素地がそろっ