北京日本大使館幹部も中国外交部に呼ばれて通告を受けた。内容は新華社報道とほぼ同じだったという。事件の事情に詳しい日本政府関係者は「全く予想していなかった。驚いた」と筆者に語る。突然の出来事だった。 新華社の報道は他のネットメディアにも転載された。タイムラグはほぼ皆無であった。 翌日の各紙朝刊でも同報道が転載された。北京の都市報《新京報》は一面で「対日輸出毒ギョーザ事件、2年間の捜査を経て、天洋食品工場の臨時工が工場への報復を目的に毒を投じていたことが判明」と軽く掲載、中面の12ページで紹介している。 紙媒体、ネットメディアを問わず、全ての国内メディアが新華社の記事を転載するにとどまった。社説や評論もない。あるとすれば、タイトルを多少いじる程度である。 プロパガンダを担当する当局の幹部は、「高度に政治的、かつ敏感な問題だ。各メディアは新華社の原稿を使うように指示している。皆言われなくても分か