4月26日夜。国会正門前に、軽快なリズムのコールが響く。「#さようなら自民党政治」と題したデモ。自民派閥の裏金問題が表面化した昨年末から、交流サイト(SNS)などを通じて集まった若者たちが毎月数回、政治に対する怒りの声を上げている。
世界で最も身体拘束が行われている日本の精神科病院。厚生労働省では現在、拘束要件の見直しが不透明なまま進むが、精神科病院を束ねるドン・日本精神科病院協会(日精協)の山崎学会長(82)はどうとらえているのか。「こちら特報部」の単独インタビューに応じた山崎氏の言葉を詳報する。(木原育子) やまざき・まなぶ 2010年から日本精神科病院協会会長。22年5月の厚労省の私的検討会に突如、参考人として出席し、議論の風向きを変えるなど影響力が大きい。18年には協会の機関誌に「(患者への対応のため)精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という部下の医師の発言を引用し、物議を醸した。安倍晋三元首相と親しかったことでも知られる。日本大医学部卒。
グーグルマップで遊んでいたら、北太平洋にぽつんと浮かぶミッドウェー諸島に、明治時代の「櫻井又五郎」という名の墓を見つけた。 墓の存在に気づいたのは2020年9月。新型コロナウイルス「第2波」で自粛ムードが漂う中、せめて旅行気分だけでも、と(グーグルマップで)太平洋の島々を巡っていた時だった。 深夜にスマホの中の墓を見つめながら、素朴な疑問が浮かんだ。100年以上も昔、櫻井さんはなぜこんなところに? こつこつと調査を重ね、結論には至っていないが、ひとまず経過をまとめてみたい。何か情報をお持ちの方は、ぜひお寄せください。(デジタル編集部・谷岡聖史) ミッドウェー諸島(環礁) ホノルルから約2000キロ北西、東京都心から約4100キロ東南東にあり、主に大小2島からなる。世界複合遺産でもある北西ハワイ諸島の一部だが、行政上はハワイ州ではなく、米連邦政府の魚類野生生物局が直接管理する。長らく無人島だ
全国で後を絶たない児童虐待。その対応を担う児童相談所の元職員が千葉県を相手取り、未払い賃金などの支払いを求めて提訴した。サポートが必要な子どもたちを支える児相は虐待件数の増加とともに過酷な労働環境に置かれている。元職員の訴えとは―。(山田祐一郎) 「人員不足や過大な業務量の中、児童福祉関係の職員が疲弊している。その職員へのサポートがないことが問題だと思います」。今月11日、千葉地裁で開かれた第2回口頭弁論の後、「こちら特報部」の取材に、原告の元児童相談所職員飯島章太さん(29)=埼玉県在住=が思いを語った。 飯島さんは、2019年4月、児童指導員として千葉県に採用され、市川児童相談所に配属された。幼少期、父親との関係が険悪だった経験から、学生時代にボランティアで子ども電話相談にたずさわった。「子どもとかかわり、話を聴いて支えになれるような仕事をしたい」との思いで児相で働くことを希望した。
平和主義をうたう憲法を横目に、再び戦争への道を歩むのか。国会での議論もなく、増税による防衛力強化や敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有に道筋を付けた16日の閣議決定。反戦を訴える人や識者からは、懸念の声が相次いだ。
東京電力福島第一原発事故の後始末について重要な動きが出た。除染土再利用の実証事業を福島県外で初めて行う計画だ。県内で中間貯蔵する除染土を再利用で減らすというのが環境省の言い分で、16日に埼玉県所沢市内、21日に東京都新宿区内の事業について説明会が予定され、他地域でも実証事業が取り沙汰される。これらの地域で再利用が浮上したのはなぜか。汚染拡散につながる再利用を安易に進めていいのか。(特別報道部・岸本拓也、中山岳)
5年に1度、農林水産省が実施する国の基幹統計「農林業センサス」の一部で、60年以上の歴史がある「農業集落調査」の存廃がいま、議論になっている。次回2025年について、農水省が「実施が困難」だとして廃止の方針を示したところ、研究者らが猛反発。継続を求める署名は1000人を超えた。一方で、基幹統計は、相次ぐ不正で信頼性が低下。統計にかかわる職員の減少も進む。国の政策立案を支える重要統計は、大きな変革を迫られている。(特別報道部・山田祐一郎)
家庭の貧困が子どもの学習理解や進学を阻んでいる実態が内閣府の調査で鮮明になり、専門家などから政府に対策を求める声が上がっている。交流サイト(SNS)上では、子が親を選べないことをもじった「親ガチャ」との表現が拡散しているが、専門家は責任は保護者でなく、貧困対策に力を入れてこなかった国にあるので、むしろ「国ガチャと言える」と指摘する。SNSでも「自己責任論で片付けたら、子どもの幸せは実現できない」などの意見が広がる。(市川千晴) 内閣府が全国の中学2年生とその保護者5000組に実施した調査では、貧困層で学校の授業が「ほとんどわからない」「わからないことが多い」と答えたのは計24%。暮らしが比較的安定している層の3.3倍に上った。進学希望では、貧困層の33.9%が「中学・高校まで」と回答し、安定層の4.3倍に達した。 「親ガチャ」はオンラインゲームの電子くじ「ガチャ」と保護者を掛け合わせた言葉
国会議員に月100万円支給される「文書通信交通滞在費」(文通費)を巡り、与野党は7日の協議会で、日割り支給への変更に合わせ、名称と目的を変更する法改正案をまとめた。4月中の法改正を目指す。文通費は議員の国会での活動を支えるための経費だが、今回の改正は議員の選挙活動などにも使われている実態を合法化する内容。識者からは、選挙などの政治活動に文通費を充てるのは目的外の支出で、横流しを正当化するものだとの批判が出ている。(井上峻輔) 文通費は現行の歳費法で「公の書類を発送し、公の性質を有する通信をなす等のため」と目的が定められている。しかし、多くの政党は使途を公表しておらず、各議員が仮に私的に使っていても分からないのが現状。関係者や一部政党の公開資料によると、議員が関連する政治団体への寄付や私設秘書の人件費に充てるなど、事実上、選挙活動に使っている例は多い。
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