傑作「神戸在住」の木村紺さんの新作「巨娘」を読んだ。 困ったことにあまり面白くない。 なぜだろうといろいろ考えてしまった。180センチを超える豪快女性で居酒屋チェーンの店長ジョーさんの活躍を描いたギャグマンガだ。まるで男を捕食するかのような逞しい女性を主人公にしたもの。ビールをピッチャーで飲んだり、ものすごい食欲だったり、そして性豪でもある。たしかに個性的ではあるものの、よく考えるとそれを超える魔物のような女性たちが現実にもいることを考えると、フィクションが現実に負けているように思える。 たとえば博打に何千万も負ける西原理恵子氏や借金だらけになってもブランド品に固執する中村うさぎ氏。韓流のイケメンを買いに行く岩井志麻子氏(一度、遠くから拝見したことがあるが、本当にブルーザー・ブロディみたいな人でした)。ほとんど豪快を通り越して狂気の域に達しているこれら現実社会の女性たちに比べると、「巨娘」