対象は、放電加工機を造るロボカット研究開発本部。EMC試験において様々な不正行為に及んでおり、EN規格(およびEMC指令)への適合性を偽装していることが分かった。写真は溶接関連の展示会に出展した同社ブース。(出所:日経クロステック) ファナックで電磁両立性(EMC)不正が発覚した。これまでに見つかった日本企業による品質不正の中でも、かなり悪質な部類に入ると言うべき事例だ(図1)。ワイヤ放電加工機(以下、放電加工機)「FANUC ROBOCUT」を手掛けるロボカット研究開発本部が、長年にわたって組織的な不正行為を継続(図2)。欧州市場向けに必須のEMC指令*1に適合しない製品を出荷していた。 *1 EMC指令 欧州経済地域(EEA)加盟国およびトルコ域内(EEA域内)で適用されている電磁波干渉(電磁妨害/電磁感受性)に関する指令。電子・電気機器をEEA域内で販売するには、このEMC指令が定め
