みんな「紙の書類」ばかり見ているが… 財務省が国有地を森友学園に払い下げた際の決裁文書を改ざんするという、あるまじき事件が発覚した。 裏事情や政局への影響は新聞や専門家、テレビのワイドショーに任せるとして、官公庁の情報システムのアレコレを取材してきた筆者が真っ先に抱いた疑問は、 「財務省は、公文書のアクセスログやタイムスタンプをどのように管理しているのか?」 「そもそもデータ改ざんが不可能なシステムを作ることはできないのか?」 ということだった。 この騒動は現在進行形なので、いつ何が飛び出してくるか分からないし、どこに着地するかも予測できない。だがひとつ確かなのは、「プリントアウトされた紙の文書の解釈」にばかり焦点が当てられ、憶測と類推を生み、問題の本質を見失わせているということだ。 一般論として、もし市民が公権力から不正を疑われたとき、公権力の側が「不正があった」ことを証明しなければなら