ここまで当「事故災害研究室」では、主として20世紀の日本の火災事例をご紹介してきた。それもいよいよここで一区切りである。 今回書き記す歌舞伎町・明星56ビル火災が発生したのは2001年のこと。長崎屋火災からすでに10年以上が経過し、火災による大量死などというものはほとんど見受けられなくなった時代である。 輝かしき新世紀。そう、この頃になると、大規模施設での大火災事故などというしゃらくさいものは日本国内では根絶されていたと言ってもいい。これはひとえに、法律の整備とその徹底した運用の賜物である。何百人もの火災死者という尊い犠牲を払って掴み取った、法治国家の勝利だった。 だが、そんな勝利の凱歌に冷や水を浴びせたのがこの新宿歌舞伎町で起きた火災だった。 この火災は、起きた出来事とその結果だけを見れば、それまでの火災と大した違いはないように思える。だがやはり、いま改めて火災の歴史の中で振り返ってみる
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