日本のエネルギー政策は、 いったいどうなっていくのか。 政府は安全確認を前提とした 原発維持路線を打ち出している。 原発のすべてが危険とは言えないが、 電力供給を原子力ばかりに依存する必要もない。 火力・水力・風力・地熱・バイオマスもある。 けれども、どのエネルギーに頼るかについては、 いまや「社会的合意」が要請される。 その合意のプロセスに 熟議民主主義(deliberative democracy)などが浮上してきた。 今夜はその議論の一端を、加藤尚武、長谷川公一、 飯田哲也、ヴァン・ジョーンズの本をもって案内する。 ◆加藤尚武『災害論:安全性工学への疑問』(2011・11 世界思想社) 災害をめぐる哲学は、セネカの『自然研究』第6巻「地震について」を嚆矢に、1755年のリスボン地震をめぐるカントの『地震原因論』『地震の歴史と博物誌』『地震再考』3部作やヴォルテール(251夜)の『カン