経営再建中のシャープに対し、EMS(電子機器受託製造サービス)最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業、官民ファンドの産業革新機構が、それぞれ出資案を提案している。早ければ2月25日にもシャープの取締役会でどちらかの案が選ばれる可能性があるが、事実上の決定権を握るのは大口債権者である、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行だ。 このうちみずほ銀行は、今年に入り、鴻海案を支持する姿勢を鮮明にしていた。その直接の理由は銀行にとって、鴻海案のほうが機構案よりも経済的メリットが大きいことだ。 機構は両行に優先株の消却という債権放棄に加え、2015年6月に続き2度目となる債務の株式化(DES)という私的整理を求めている。一方の鴻海案は、優先株の簿価での買い取りを示しており、銀行にはほとんど”痛み”を求めていない。 みずほと鴻海の親密な関係