「奴には気をつけた方がいい。なにせ世間を騒がせた”ブログ魔”だからな」 そう呟くように言うと最重要アルファブロガー収容施設のオーク・マ院長は書類を警備員に手渡した。 「なにかあった場合にはかならず緊急用のTBを打つように。そうでなければ君の命の保障は出来ない」 院長は言うべきことは言ったとばかりにそそくさと格子戸を閉め、ニヤリと笑った。 長く暗い通路を行くと目的の部屋に辿り着いた。 「やぁ、おはよう、アコギ君」 透明だが、頑丈な防弾ガラスの向こうから先に声をかけてきたのはドクター・シナチヨの方だった。 厳重に隔離されていることを理解しながらもアコギの額には室温とは似つかわしくない汗が浮き出し始めていた。 「まず、僕があなたのところへ訪れた目的をはっきり伝えておきたい。最初に」 「いや、問題は君が何を望んでいるかだ」 博士は爛々と目を輝かせながらアコギの顔を覗き込む。 「率直に言おう。まずブ