犬と老人の悲しい別れを描いたベトナムの国民的小説の映画化で、主役の犬を日本原産のシバイヌが演じることになり、「なぜベトナムの犬ではだめなのか」といった疑問の声が上がっている。ベトナムでは誰でも知っている日本の「忠犬ハチ公」のような物語で、シバイヌの起用が決まるとネット上などで批判的な意見が広がった。 映画化されるのは、1940年代のベトナム北部の貧しい農村を舞台にした短編小説「Lao Hac(ハクじいさん)」。妻を亡くし、息子も出稼ぎに出てしまった孤独な老人が、心の支えにしてきた「カウバン」という名の犬を貧しさのあまり手放し、後悔と寂しさから自ら命を絶つ。ベトナムでは学校の授業でも教えられる人と犬の心の交流を描いた物語だ。 だが、8月にあったオーディションで、ベトナム人が飼うシバイヌが主役に決まったと報じられると、違和感を表明する声が続出。地元紙トイチェは「食べるのも精いっぱいの貧しいハク