すでに社会人となった人間でも、社会のなかで生きていくのはどういうことなんだろうかと立ち止まって悩むことがある。まして学生だと、実際の社会はよく理解できない。だから、怖いようにも思える。どうしたらよいのか。 なるほど、こういう本を読んでおくとよいのだというのが、本書「「しがらみ」を科学する 高校生からの社会心理学入門」(参照)である。社会人が読んでも得るところが多い。 著者、山岸俊男氏は、これは名著と言ってよいと思う、「安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)」(参照)の著者でもあるが、本書「「しがらみ」を科学する」のほうは、社会を見るための原則論がわかりやすく書かれている。 冒頭、経済学者トーマス・シェリングが出したクイズが引用されている。クイズ自体を理解することはそれほどむずかしくはないので、ちょっとしたパズルだと思って、ちょっと立ち止まって考えてみるといいだろう。私は