「なんであんな所に船がいたんだ」 海上保安庁の幹部が取材の際につぶやいたひと言です。 2018年9月の台風21号で、強風に流されたタンカーが関西空港の連絡橋に衝突した事故。橋桁が大きく壊れ、4か月近くたった今も連絡橋は一部の道路が使えないままです。 海上保安庁は、関西空港の周辺海域では“悪天候が予想される場合、航行を原則禁止する”という新たな対策に乗り出します。 なぜ、こうした規制は今までできなかったのでしょうか? (社会部記者 浅川雄喜) 今回、海事関係以外の取材先からよく聞かれたのが、「関空の近くに停泊していてよかったの? 道路だと取り締まりを受けそうだけど?」という疑問でした。 取材を進めるとわかってきたのが、海の上は基本的に自由に航行し、規制は必要最低限にするという考え方でした。 自動車を運転する場合、すべての公道で道路交通法が適用され、警察も厳しく取り締まりますが、海の上では航行