韓国に限らず地域研究全般に言える事だとは思うが、韓国政治の研究者は日韓の相互理解を深めて日韓関係を良好に維持したいと願っているもので、日韓の軋轢に対して否定的な感情を抱いてしまい、直観的にネガティブな評価を下し、日本政府に対して穏便な対応を求めてしまう。ネット界隈で知名度のある木村幹氏も浅羽祐樹氏もその例外ではないようだ。 1. 具体的にどうすべきかは言及されない批評 徴用工問題に関して同様だ。木村幹氏は時事通信のコラムで、「事態の正確な分析を怠ったまま、自らの理解を安易なステレオタイプに押し込んだままで議論を続けている」と批判しているが*1、木村幹氏の言う正確な理解をしたときに日本政府がどう振舞うべきかについては明言しない。木村幹氏が言うように徴用工問題が「「日韓関係を根本的に損なうほどの重要性を持った問題だ」という認識を有するには至っていなかった」のであれば、日韓関係が悪化していること