大学は著作物であふれている。今回、大学教員がその創作にかかわるとき、その著作者は大学になるか否かについて考えてみたい。 著作権法第2条1項2号では、著作者を「著作物を創作する者」と定義する一方で、職務上作成する著作物の著作権は、法人その他使用者が持つとしている。すなわち、実際に手を動かして創作した者が個人であっても、法人などが創作についての発意をもち、業務に従事する者が職務上作成し、法人等の名義で公表することが予定されている場合、法人などが著作者となる(著作権法第15条)。 【講義は誰のもの】 そうなると、教員が行う講義はだれのものだろう。「著作権法逐条講義」6訂新版(加戸守行、2013)では、「大学で講義をしている教授は、講義をするために講義案を作成しますけれども、講義案を作成すること自体は職務ではありません」という理由から、職務著作にあたらないとしている。「標準著作権法」第4版(高林龍
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