ブックマーク / www.nikkei-science.com (5)

  • 体で計算するコンピューター

    それは先へ行くほど細くなる40センチほどの白く細長い物体で,巨大なタコの足だと言われれば,確かにそんな形と感触だった。両端をつかんで持ち上げると,軟らかくカーブを描いて垂れ下がる。「3Dプリンターを使って,高分子材料のシリコーンで作りました」と東京大学特任准教授の中嶋浩平は話した。 この人工タコ足を水槽の中に吊し,根元に付けたモーターでランダムに振ると,タコ足は身をくねらせ,踊るように複雑に揺れる。そして数分もすると,自らの動きから「パリティチェック」と呼ばれる基的な非線形演算の計算方法を習得し,正しい答えをはじき出すようになる。そればかりか,機械学習の性能をチェックするのに使う非線形の学習課題のいくつかを,従来のニューラルネットを超える正確さでやってのける。タコ足の中にCPUが仕込まれているわけではない。このクニャクニャしたタコ足そのものが,学習に必要な演算を蓄積する「リザバー(貯水槽

    体で計算するコンピューター
  • 仮面ライダーの方程式

    「突然の連絡ですが,借金の相談とか宗教の勧誘ではありません」。 もう5年ほど会っていない先輩から,このようなメールを受け取ったのは2017年6月の頭のことだった。僕は大学で物理学の研究をしている。メールを送ってきたのは学生時代に履修していた政治学のゼミの先輩で,その後,東映に勤めていると聞いていた。 状況がよくわからないまま,とりあえず東映社を訪ねた。そこで聞かされたのは,同社が制作しているテレビ番組『仮面ライダービルド』の主人公が物理学者なので,僕に番組のアドバイザーをしてもらいたいという話だった。具体的には,主人公が新たな武器の開発をする際に黒板に書く数式や,番組の中で効果として流すコンピューターグラフィックスの数式を書いてほしいという。 (中略) 最初の依頼は「オープニングで黒板が映るのですが,直後にライダーがバイクで走っているシーンがあるので,黒板に書くための車輪の運動っぽい式を

    仮面ライダーの方程式
    arakik10
    arakik10 2017/12/24
    内容とは関係なく毎回の「話数の数式」と「黒板の数式」に注目してる■「仮面ライダーの方程式」と書かれると、「とどめはライダーキック」みたいなものを連想してしまう
  • 局地核戦争でも人類は滅亡|日経サイエンス

    米国とソ連の間で核戦争が起こると「核の冬」が生じうることを25年前,複数の国際科学チームが示した。都市と工業地域に落とされた爆弾で大火災が生じ,その煙が地球を包み込んで日光を吸収,地表は温度が下がり暗く乾燥して,世界中の植物が枯れ,物供給が絶たれるだろう。地表の温度は夏場でも冬の値に下がる。この予測は2つの超大国の指導者に米ソの軍拡競争が当事国だけでなく全人類を脅かす可能性を突き付け,核軍拡競争を終わらせる重要な要因となった。 冷戦が終わったいま,なぜこの話題を取り上げるのか? 他の国々が依然として核兵器を保有・取得しようとするなか,より小規模な局地核戦争でも同様の世界的破局が起こりうるからだ。新たな解析の結果,例えばインドとパキスタンの衝突によって100発の核爆弾(世界に2万5000発以上ある核弾頭のわずか0.4%)が都市と工業地域に落とされると,世界の農業を麻痺させるに十分な煙が生じ

    局地核戦争でも人類は滅亡|日経サイエンス
    arakik10
    arakik10 2017/08/12
  • 「STAP幹細胞」として用いられたES細胞を特定 東大,東北大など

    身体のあらゆる組織になることができ, 無限に増殖することが可能とされた「STAP幹細胞」として 実際に使われたES細胞を特定した 理化学研究所などのチームが作成したSTAP細胞から作られた,あらゆる組織に分化することができ無限に増殖する多能性幹細胞「STAP幹細胞」が,以前から研究でよく使われている「ES細胞(胚性幹細胞)」であることを,東京大学グループと,東北大学などの共同研究チームがそれぞれ突き止めた。論文にはこの細胞からマウスができたとされ,STAP細胞が多能性を持つ証拠とみられていたが,今回の解析でどのES細胞が使われたかが具体的に明らかになった。 調べたSTAP幹細胞は,論文の共著者で,STAP幹細胞からマウスを作った若山照彦理化学研究所発生・再生科学総合研究センターチームリーダー(現山梨大学教授)が保存していたもの。先に若山氏が第三者機関に依頼して解析し,「若山研にはなかったマ

    「STAP幹細胞」として用いられたES細胞を特定 東大,東北大など
    arakik10
    arakik10 2014/12/27
  • ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証

    「小澤の不等式」。数学者の小澤正直・名古屋大学教授が2003年に提唱した,ハイゼンベルクの不確定性原理を修正する式です。小澤教授は30年近くにわたって「ハイゼンベルクの不確定性原理を破る測定は可能」と主張し続けてきましたが,このたびついに,ウィーン工科大学の長谷川祐司准教授のグループによる実験で実証されました。15日(英国時間)付のNature Physics電子版に掲載されます。 小澤の式とはどんなものでしょうか? まず,物理の教科書をおさらいすると,1927年にハイゼンベルクが提唱した不確定性原理の式は,こんな形をしています。 εqηp ≧ h/4π  (hはプランク定数,最後の文字は円周率のパイ) εqは測定する物体の位置の誤差,ηpは位置を測定したことによって物体の運動量に生じる乱れです。もし位置が誤差ゼロで測定できたら運動量の乱れは無限大になり,測定してもめちゃくちゃな値がランダ

    ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証
    arakik10
    arakik10 2012/01/16
  • 1